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この記事では、中古戸建住宅を購入するメリットやデメリットについてご紹介します。
中古戸建住宅は安いけれど、買っても大丈夫なのかなと心配になってしまう人は多いのではないでしょうか。
中古戸建住宅を購入することに不安を感じているなら、中古戸建住宅を購入するメリットやデメリットを知っておくと安心です。
新築戸建住宅を購入するときのメリット・デメリットについても解説するので、中古と新築で迷っている人も比較検討しやすくなります。
中古戸建住宅の購入で迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
中古戸建住宅を購入するメリット・デメリットを解説
中古戸建住宅を購入すると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
中古戸建住宅を購入するメリット | 中古戸建住宅を購入するデメリット |
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中古戸建住宅を購入するメリットとデメリットをそれぞれ詳しく解説します。
中古戸建住宅を購入するメリット
中古戸建住宅を購入する5つのメリットを見ていきましょう。
安く購入できる
中古戸建住宅の最大のメリットは、安さです。住宅の価格が安いこと以外にも、初期費用を安くできるポイントがあるため、費用が気になるという人でも安心して購入できるでしょう。
住宅は築年数が古いほど、住宅の価値は下がっていき、安く購入できるようになります。
水道管を住宅まで引き込むとなると、水道負担金が必要です。中古戸建住宅の場合、すでに水道管を引き込んであるため、水道負担金は必要ありません。
また、住宅によっては前に住んでいた人の家具や家電が置いてあることがあります。家具や家電を置いたまま住宅を売っている場合には、家具や家電付きで住宅を購入可能です。
引っ越し後に家具や家電の購入で悩むことを減らせるでしょう。
住宅を確認してから購入できる
中古戸建住宅なら、住宅を実際に見て確認してから購入できます。
新築注文住宅の場合、契約後に建設が始まり、図面でどんな建物ができるのかを見ることはできますが、実際に完成した建物を見ることはできません。
また、こだわりの注文住宅を依頼する場合などは土地選びからプラン決めから、工事が完成するまでかなりの時間を費やします。
その点を踏まえた上で、仕事をしながら遠方まで新築注文住宅の工事の様子を見にいけるかどうか、完成までに費やす時間は確保できるかなどをしっかり把握しておく必要のある大変な事業となります。住宅の外観や、家の中に入ってみて、家事動線や臭い、風通しといったポイントを確認できるため安心です。住宅を確認すれば、購入後の生活をイメージしやすいでしょう。
時間のかかるリフォームが必要なければ、すぐに住むことができます。早めに入居したい人にも中古戸建住宅の購入は、メリットが大きいでしょう。
住みたいエリアで見つけられる
家を建てる場合、土地を見つけることから始まりますが、すでに駅の近くなどの好立地な土地は埋まっていて、建てたいエリアでは建てられないことも。
中古戸建住宅は、人気のエリアでも販売されることがあり、住みたいエリアで住める可能性があります。住みたいエリアを重視したい人にもぴったりでしょう。
広い土地とセットで販売されていることがある
中古戸建住宅は、分譲されている新築戸建住宅よりも広い土地とセットで販売されていることがあります。庭や駐車場付きの住宅を求めるなら、中古戸建住宅のほうがよいかもしれません。
新築戸建住宅の場合、利益率を上げるために小さな土地に住宅を建てることが多いです。中古戸建住宅は、個人が売主であることが多いため、利益率を気にすることも土地を分割することもありません。
広々とした土地を希望する場合は、中古戸建住宅でもよいでしょう。
リフォームすれば自分の好みの住宅にできる
中古戸建住宅でもリフォームすれば、新築のような住み心地を実現できます。古く見える住宅でも、リフォームやリノベーションをすれば住みやすくなる掘り出し物件に出会えるかもしれません。
中古戸建住宅はすでに完成した住宅ではありますが、気に入らない部分があったとしても、リフォームやリノベーションによって自分好みに変えられます。
リフォームは、老朽化した建築物を新築に近い状態に戻すことを指し、リノベーションは既存の建築物に工事を加え、既存のものよりも価値を高めることを指します。
ゆったりした間取りを見つけることができる。
中古物件がゆったりする間取りがある場合のメリットについて解説します。
一世代以上前の昔の家(中古物件)は、今よりも家族の人数が多かったこともあり部屋数が多い物件があります。
また、現在の住宅の基本寸法は91cmがほとんどですが、以前は94.5cmや95cmなども多くありました。
つまり、同じ6帖の部屋でも基本寸法が95cmになると一回り広くなるということです。
現代の家族は3人や4人が多いと思いますので、家族が多かった昔の形の中古の物件は比較的広めや部屋が多めだったりするという事です。
そして、現代の人たちが自分たちが住める状態に改良するため、リノベーションやリフォームをするわけですが多くの場合、予算の関係があり比較的手軽に安価で出来る『リノベーションをして住む』という事が多くなる傾向にあります。
注意:リフォームとリノベーションの違い
リフォームはいわゆる復旧工事のことです。
リフォームの主な例としては、壁紙(クロス)の貼り替え、キッチンやユニットバス設備の交換、外壁の塗り替えなどです。 古くなった設備や汚れた壁を綺麗にしたりで間取りはそのままの状態です。
一方、リノベーションは間取りの変更、水道管や排水管の変更など大規模な改修が該当します。
中古戸建住宅を購入するデメリット
中古戸建住宅を購入する4つのデメリットを見ていきましょう。
リフォームが必要な時期が早くくる
中古戸建住宅は、築年数が経っているため、リフォームが必要な時期が新築戸建住宅よりも早くきます。
新築戸建住宅であっても、いつかはリフォームが必要です。しかし中古戸建住宅のほうがリフォームが必要となる時期が早くなりやすいため、住宅の状態を確認して、リフォーム費用を前もって準備しておくとよいでしょう。
また、なるべく劣化を防ぎリフォーム時期を遅らせたい場合の対策として後述していますので参考にされてください。
維持費がかかる
住宅の状態によっては、何度もリフォームが必要となり、費用がかさんでしまうことがあります。安く住宅を購入できたのに、その後リフォームを何度も行って維持費が高くついてしまうことも。
予想以上の維持費がかからないようにするには、住宅の状態を把握して、いつ頃にどのようなリフォームが必要になるのかを知り、計画を建てることが大切です。
住宅ローン審査に通りにくい可能性がある
中古戸建住宅は、担保としての価値が低いと金融機関にみなされる傾向があるため、住宅ローン審査が厳しいことがあります。
築年数など住宅の状態や利用したいローンによっては、通らない可能性があるため、事前に仮審査を受けておくと安心です。
耐震性が低いことがある
住宅が建てられた時期によって、耐震基準は異なります。建てられた時期によっては、耐震性能が低い可能性があるでしょう。
耐震基準は、1981年と2000年に改定され、耐震基準が強化されました。改定よりも前に建てられた住宅は、耐震基準が今と異なり、耐震性に不安があるかもしれません。
中古戸建住宅の疑問と対策|リフォーム時期が早くなるか遅くなるかはメンテナンスの違い!?
中古戸建て住宅のデメリットとして、リフォーム時期が早くなると先述しましたが、インスペクションの専門家からみたアドバイスとしてコメントします。
中古戸建て住宅の部材の耐用年数は材料によって異なりますが、一般的に使用されている外壁や屋根の材料は、表面に塗膜がありその塗替えの周期は新築も中古も10年程度と言われています。
この周期を無視して20年間放置していたとすると、新築でも中古より早く劣化し建物としての寿命がくる可能性もあり得ます。つまり、先述したように『リフォームは必要な時期が早くやってくる』ということになります。
しかし逆にいうと、どんなに古くても構造がしっかりしており、こまめなメンテナンスで雨漏れなどもなく過ごす住まいは、いつまでも快適な建物が維持できるといえるでしょう。
『小まめなメンテナンス』とは、住宅の専門家に定期的に検査をしてもらい適切に劣化している箇所を補修する事を指します。
新築戸建住宅を購入するメリット・デメリットを解説!中古戸建住宅とどっちを選ぶべき?
新築戸建住宅を購入するときには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。また、中古戸建住宅と新築戸建住宅では、どちらを選ぶべきなのかをメリット・デメリットを比較して解説します。
新築戸建住宅を購入するメリット | 新築戸建住宅を購入するデメリット |
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新築戸建住宅の大きなメリットは、新しい住宅に住める満足感があるということです。新築であるため、リフォームが必要な時期までは時間があり、すぐに大きなリフォームが必要になることはありません。
費用面を見てみると、新築ということで購入費用は中古戸建住宅よりも高めです。しかし新築なら、税制上の優遇があります。
固定資産税が新築から3年間半額になったり、登録免許税の税率が中古戸建住宅よりも低かったりと、購入後の税金が少なくなりやすいです。
新築戸建住宅を建てるときに、住みたいエリアで土地を探しても、なかなか見つからないことがあり、見つかっても狭い敷地しか残っていないことがあります。
土地を売るときに、より多くの家を建てられるように利益率を考えて、大きめの土地は分割されることが多いです。そのため求めていた土地よりも狭い土地になってしまうことがあります。
一概に中古戸建住宅と新築戸建住宅のどちらを購入するほうがよいとは言えませんが、費用や住みたい家の理想、住んだ後の費用を比較して、自分のライフプランに合ったほうを選ぶことが大切でしょう。
中古戸建住宅を購入の際に頭に入れておきたい専門家からのワンポイントアドバイス!
住まいを捜し初めのころは、『広めの土地に庭があって、隣との音もあまり気にしなくていいものが理想』などイメージしていたかと思います。
例えば、今までの【新築神話】を引きずって『なにがなんでも新築だ!』という想いで新築であることだけにこだわっていると予算に合うものがなく、予想よりも価格が高くて手がでないということもあるでしょう。
気付いたら庭もなく隣の建物と隣接し、窓を開けたら隣の壁。そんな住宅が最近増えています。
これは、最近の資材や人件費の高騰もあって昔の家を壊して敷地を分割しているという手法が主流になっている為です。
逆にいうと中古住宅は、その「分割」する前のゆったり感のある広めの物件の可能性があるという事です。
予算に余裕がない、または余裕があっても同じ予算で広めのゆったりした戸建ての魅力を満たした物件があるかも知れません。
中古は古臭い、どんな欠陥があるかもわからない・・と、今までは敬遠されていましたが、専門家によるホームインスペクションが定着しつつあることで建物の状態が詳しく判るようになりました。
また、間取りにしても「リノベーション」と言って、今の生活スタイルに合わせた間取りとデザインに耐震強度も計算しながら作り変えることが出来るようになりました。
工務店が中古住宅を買取り、リノベーション工事をして完成した物件は、古さに味わいを載せながら中古とは思えないような素敵な物件もたくさん作られるようになりました。
中古戸建住宅を購入する際の注意点を解説!5つの確認ポイントとは?
中古戸建住宅の購入を検討するなら、慎重に住宅を選びましょう。
- かかる費用の詳細を確認する
- 住宅ローン控除を利用できるのかについて
- 再建築不可物件ではないかを確認する
- 築年数をチェックして耐震性能を確認する
- 目に見える部分、目に見えない部分の両方を確認する
ここからは、中古戸建住宅を購入する際の5つのポイントを紹介します。
かかる費用の詳細を確認する
中古戸建住宅を購入する費用以外にもさまざまな費用が必要となります。
- 印紙税
- 仲介手数料
- 登記費用
- ローン借り入れ費用
- 固定資産税、不動産取得税などの税金
このような費用がいくらかかるのかについて、仲介業者に詳細を聞いておくと安心です。
また、早めにリフォームが必要となることが多いため、いつ頃にどのようなリフォームやリノベーションが必要になるのかを現状を見て、計画を立てておくと急な出費となりにくいでしょう。
中古住宅の予算は物件購入+インスペクション+リフォームまたはリノベーションの合計が総予算ということになります。
中古住宅の場合リフォームまたはリノベーションの予算をしっかり把握して購入する事が大切なポイントになります。
これは非常に難しい事でもあります。物件ごとに内容は違いますし、インスペクションを実施し内容を『見える化』しての判断が非常に重要なポイントになります。
この『見える化』を見誤ると、予算オーバーで購入後に、本当にやりたかった工事が出来なかったり、途中でお金を払えなくなったりして、結局住宅を手放さざるを得なくなったりする可能性もあります。
注意して、これらの重要ポイントを常に念頭に入れておきましょう。
住宅ローン控除を利用できるのかについて
中古戸建住宅は、住宅ローン控除の対象とならない場合があります。
- 築25年以内(令和4年の改正後に制度が変わったので下記に記載しています)
- 新耐震基準に適合している場合は利用可能
- 既存住宅売買瑕疵保険が付保されている場合は利用可能
- 住宅を取得後半年以内に入居している
- 登記上の住宅の延床面積が50㎡以上であり、居住用部分の延床面積が建物の半分以上である
- 生計を一にしている親族等からの購入、贈与による取得でない
- 控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下
このような条件を満たす場合に住宅ローン控除を利用できます。最も問題となるのが、新耐震基準を満たしているかという点です。築年数や耐震性能を確認して、住宅ローン控除の利用を確認しておくとよいでしょう。
また以前は築25年以内の中古住宅は住宅ローン控除の対象となりませんでしたが、令和4年度 住宅ローン控除(減税)制度の改正により以下が適応されるようになりました。
◇改正前・・・耐火建築物の場合:25年以内に建築された住宅であること
◇改正後・・・登記簿上の建築日付が昭和 57 年1月1日以降の住宅
改正前の適用要件では、築25年以上の物件は耐震基準適合証明書が取得可能な物件しか住宅ローン減税をうけることができませんでした。※既存住宅売買瑕疵保険でも可。しかし、改正後の適用要件では築25年以上の物件でも「登記簿上の建築日付が昭和 57 年1月1日以降の住宅」であれば、耐震基準適合証明書を取得しなくても住宅ローン減税の対象となりました。
再建築不可物件ではないかを確認する
中古戸建住宅の中には、再建築負不可物件といって、増改築ができないものがあります。購入後にリフォームをしたいと考えている場合は、再建築不可物件ではないかを確認しておきましょう。
築年数をチェックして耐震性能を確認する
築年数によって、その当時の耐震基準が異なります。築年数をチェックすれば、どの耐震基準を元に建てられた住宅なのかが分かり、耐震性能を確認できるでしょう。
耐震基準の大きな改正については、1981年までの『旧耐震建築』は、震度5程度まで倒壊しない強度であったものを指していました。
しかし、1981年以降を『新耐震建築』とし、震度6~7程度まで倒壊しないとされています。また、新耐震でも2,000年以降の建物はさらに強度のバランスによる改正が行われており、より倒壊しにくいものになっています。
目に見える部分、目に見えない部分の両方を確認する
内覧に行く際には、目に見える部分だけではなく、目に見えない部分の確認も必要です。目に見える部分としては、雨漏りのシミが無いか、外壁のひびは無いか、傾きは無いかといった部分をチェックしましょう。
雨の日であれば、雨どいや雨漏りの状態、敷地内の水溜まりがあるなどを確認しやすいため、一度は雨の日に内覧にいくことがおすすめです。
目に見えない屋根裏や床下は、素人目では確認が難しいため、プロにお任せするとよいでしょう。ホームインスペクションなら、専門業者の目によって住宅の状態を確認できます。
しっかり中古戸建住宅を見極めるならホームインスペクションを検討しよう!(まとめ)
中古戸建住宅の購入で不安なのが、住宅がどのような状態なのか素人目では分かりにくいということです。中古戸建住宅の状態をしっかり見極めたいなら、ホームインスペクションを検討しましょう。
ホームインスペクションでは、住宅の専門家に住宅をチェックしてもらえます。劣化状態や欠陥の有無、リフォームが必要な場所や時期、費用を確認してもらえるため、中古戸建住宅を見極めやすくなるでしょう。
住宅の状態を知った上で中古戸建住宅を購入したい人は、ホームインスペクションの利用がおすすめです。
今回は、中古戸建住宅を購入する際のメリット・デメリットについて解説しました。
中古戸建住宅は住みたいエリアで住宅を見つけやすく、安く購入できる一方で、リフォームにかかる費用や耐震性能の不安があるというデメリットがあります。
新築戸建住宅には、新しい家に住める満足感があるといったメリットや住宅購入に大きな費用がかかるというデメリットがあり、それぞれのメリット・デメリットを比較して自分に合った選択をすることが大切です。
中古戸建を購入するなら、ホームインスペクションがおすすめです。ホームインスペクションを受けると、住宅の状態を知ることができるため、リフォームの費用や時期について計画を立てやすくなります。
安心して中古戸建住宅を購入するためにも、中古戸建住宅を購入する際には、ホームインスペクションを検討してみてください。
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- (株)EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所
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- 記事監修:中嶋栄二
- EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所代表。建築士でありながら住宅診断を行うなど、家にまつわる幅広いお悩みやご相談などに対応。年間100件以上の実績で皆様の住宅に関するお悩みを解決します。【資格等】一級建築士・耐震診断アドバイザー・住宅メンテナンス診断士・建物危険度判定士フラット35適合証明技術者など