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中古住宅の契約後に起こるトラブルを解説!予防のための注意点とは?

この記事では、中古住宅の契約後に起こるトラブルについて解説します。

中古住宅を購入するときの不安といえば、さまざまなトラブルが起こることですよね。

中古住宅の契約後にトラブルが起こることは少なくありません。契約後のトラブルを防ぐためには、契約前にしっかり注意しておく必要があります。

また、万が一契約後にトラブルが起きてしまっても、対処法を知っておけば安心です。

今回は、中古住宅を購入する際の契約後に起こりえるトラブルとトラブルの予防方法、トラブルが起こったときの対処法について詳しく解説します。

中古住宅の引き渡しまでの流れとは?一般的な流れを解説!

中古住宅を購入すると、一般的に内覧から引き渡しまで次のような流れで契約が進みます。

  1. 気になる物件を内覧する
  2. 購入を申し込む
  3. ローンの事前審査を行う
  4. 売買契約を結ぶ
  5. ローンの本申し込みを行う
  6. ローンを契約する
  7. 引き渡し

内覧後、ローンの審査や売買契約が進み、基本的に引き渡しまで家の中を見るタイミングはありません。

引き渡し後、住宅に問題があることに気づき、トラブルになるケースがあります。トラブル回避のためには、引き渡し前に住宅の状態を把握しておくことが大切です。

中古住宅の契約後に起こりえるトラブルを解説!5つのよくあるトラブルとは?

中古住宅の契約後に起こる可能性があるトラブルを5つ解説します。

  • 設備の故障があった
  • シロアリや雨漏りの被害が確認された
  • 断熱材が欠損していた
  • 隣人と境界トラブルが起こってしまった
  • 住宅ローン減税の対象外だった

起こりえるトラブルを理解しておくと、内覧のときに注意して見ることができます。トラブル回避のためにも、参考にしてください。

設備の故障があった

中古住宅のトラブルで多いのが、設備の故障です。水道関連や電気関連の設備で、具体的には給湯器や温水洗浄便座などで不備が確認されるケースがあります。

内覧時には、住宅の状態をよく見ていても、設備まで見ることはあまりありません。内覧時に、電気や水道が通っていない場合には、設備の確認ができないこともあるでしょう。

シロアリや雨漏りの被害が確認された

内覧で気づきにくいのがシロアリや雨漏りの被害です。シロアリは住宅の木材を食い荒らしてしまい、雨漏りは木材を腐らせる原因となります。

シロアリや雨漏りの被害は、構造部分のトラブルであり、室内を見ただけでは発見が難しいことが多いです。発見されたときには、リフォームが必要となることがあります。

 

断熱材が欠損していた

築年数によっては、建築当時に十分に断熱処理をされておらず、断熱材が欠損していることがあります。断熱材が欠損していると、家の中が冷えやすく、夏は暑さを感じるでしょう。また、結露の原因にもなります。光熱費が余計にかかってしまうというデメリットもあります。

 

隣人と境界トラブルが起こってしまった

住み始めてから隣人と境界トラブルが起こってしまうことがあります。新しく宅地分譲された土地は境界を明確に設定してありますが、昔からある土地は、境界が曖昧になっていることが多いです。

隣人とのトラブルは直接だと、とても言えるものではありません。引渡し前に境界トラブルに問題があれば仲介にお願いして何か起こった場合にどちらがどれだけ負担するかなどの取り決めを書面で交わしておくなどしておきましょう。住宅ローン減税の対象外だった

住宅ローンを利用した場合、住宅ローン控除の対象となれば、最大で10年間、住宅ローン残高の1%が毎年の所得税から控除されます。契約後に住宅ローン控除の対象外だったと知り、返済計画に変更が必要となることも。

住宅ローン控除は中古住宅であっても、条件を満たせば利用可能です。住宅ローン控除の対象となるには、築年数や耐震性能などを確認しておく必要があるでしょう。

 

中古住宅の契約後にトラブルが起こってしまったときは?2つの対処方法を解説

中古住宅の契約後にトラブルが起こってしまったら、どのように対処すればよいのでしょうか。

  • 売主に「契約不適合責任」を追求する
  • トラブルに応じた相談窓口に相談する

もしも契約後にトラブルが起こってしまったら、2つの方法で対処しましょう。2つの対処法について詳しく解説します。

 

売主に「契約不適合責任」を追求する

売主に契約不適合責任を追求すれば、必要な修繕費用を請求できる可能性があります。

契約不適合責任とは、契約内容と住宅の状態が一致していないときに売主が負うべき責任です。契約内容と住宅の状態が一致していないかどうかを証明することは難しいため、契約不適合責任を追求する場合には、弁護士へ相談するとよいでしょう。

 

トラブルに応じた相談窓口に相談する

契約後に起こるトラブルはさまざまあり、トラブルによって対処法は異なります。どう対処すればよいのか分からないというときには、トラブルに応じた相談窓口に相談することがおすすめです。

  • 設備の不備、境界トラブル:法テラス、消費生活センター
  • 不動産取引に関するトラブル:宅地建物取引業協会、宅地建物取引業保証協会

トラブルに合った相談窓口に相談することで、適切な対処が可能です。

 

中古住宅の契約後トラブルを予防するための注意点とは?契約前にするべき6つの注意点を解説

中古住宅の契約後にトラブルにならないためには、契約前から注意することが大切です。

  • 内覧で設備を隅々まで確認する
  • 既存住宅売買瑕疵保険に加入する
  • 契約内容を確認する
  • 境界位置を確認する
  • 住宅ローンを適用できるかを確認しておく
  • 住宅の細かな部分まで建物調査を行う

契約前に、この6つの項目に注意することで、契約後のトラブルを予防できます。6つの注意点を詳しく見ていきましょう。

内覧で設備を隅々まで確認する

内覧を行うときは、住宅の状態を確認するとともに、設備の確認をしましょう。中古住宅の内覧では、家の雰囲気や間取りを確認する人が多く、設備の確認までする人は少ないものです。

内覧時に電気や水道が通っておらず、確認できない部分もあります。そのようなときは、蛇口やスイッチを触ってみて、状態を確認するだけでもよいでしょう。

少しでもトラブルになりえる要素を取り除くために、設備まで確認することが大切です。

 

既存住宅売買瑕疵保険に加入する

既存住宅売買瑕疵保険に加入しておけば、瑕疵(傷や欠損など)が発見されても、保険が支払われるため、保険金で修繕できます。

保険の加入には、保険会社の検査を受けることが必要です。保険に加入できる条件が厳しく、加入が難しい場合があります。

また、保険に加入できても、保険適用となるのは適用条件に当てはまる場合のみです。適用条件を確認しておく必要があるでしょう。

契約内容を確認する

契約内容を確認しておくことで、契約後にトラブルがあったときの修繕費用や対応について責任を追求できるかを知ることができます。

契約書には、契約不適合責任についての記述があり、売主が負うべき責任を確認可能です。

契約不適合は、2020年4月の民法改正以前は瑕疵担保責任と呼ばれていました。民法改正によって、隠れた瑕疵以外に種類・品質・数量が契約内容と一致していないときに、売主へ責任を追求できるようになり、以前よりも責任追求しやすい状態になっています。

契約不適合責任について確認し、必要なときは売主へ責任を追求できるようにしておきましょう。

 

境界位置を確認する

境界トラブルにならないように、引き渡し前に不動産会社の立ち合いを求め、現地で実際に境界位置を確認しましょう。

境界を明らかにする測量を確定測量といいます。確定測量は、隣人の立ち合いの元に行うもので、所有者を明らかにするものです。引き渡し後にトラブルにならないように、引き渡し前に行うとよいでしょう。

住宅ローン控除を適用できるかを確認しておく

住宅ローン控除を適用できる条件を確認しておくことで、住宅ローン控除が利用できないと後から慌てることがなくなります。

2021年12月に住宅ローン控除に関する改正案が可決され、2022年以降に中古住宅を購入する場合には、住宅ローン控除を利用しやすくなりました。

今までは築年数に条件がありましたが、改正後は築年数に関する条件が撤廃され、1982年以降の新耐震基準に適合していることのみが条件とされています。

所得金額は2,000万円以下、返済期間は10年以上という条件はあるものの、以前よりも利用しやすくなっているため、条件を確認してみましょう。

 

住宅の細かな部分まで建物調査を行う

住宅の外観や部屋の状態を見るだけではなく、住宅の細かな部分まで建物調査を行うことが大切です。細かな部分まで建物調査をするなら、ホームインスペクションを検討しましょう。

ホームインスペクションを行えば、シロアリや雨漏りの被害を発見することにも繋がります。プロの目で住宅の状態を確認できるため安心です。

 

専門家の目で住宅診断してもらえる!ホームインスペクションを検討しよう!

専門家の目で住宅診断してもらえるホームインスペクションは、住宅の健康診断とも呼ばれ、状態確認に適した調査です。

シロアリや雨漏り被害、壁の亀裂、傾きなどの劣化状態を目に見える範囲で調査してもらえます。素人目では分からないことまで住宅の状態を知ることができるため安心です。

最近では中古住宅の売買に注目が集まり、中古住宅を購入する際にホームインスペクションをする人が増えてきています。

また、ホームインスペクションは、契約前に行うことがおすすめです。契約後にホームインスペクションを行っても、ホームインスペクションの結果を元に契約を解除することは難しいため、契約前に行うようにしましょう。

まとめ

今回は、中古住宅の契約後に起こるトラブルについて解説しました。

中古住宅の契約後に設備不良などさまざまなトラブルが起こる可能性があります。トラブルが起こった時には、売主へ責任を追求したり、相談窓口へ相談したりして対処しましょう。

契約後のトラブルを防ぐには、契約前に住宅や契約内容について確認しておくことが大切です。住宅の確認は、素人目では難しいことがあります。

契約前に住宅の状態を把握するためには、ホームインスペクションがおすすめです。専門家の目で住宅の劣化状態を知ることができるため、契約後のトラブル予防になります。

中古住宅を安心して購入するためにも、ホームインスペクションを検討してみてはいかがでしょうか。

 

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中嶋栄二 写真

記事監修:中嶋栄二
EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所代表。建築士でありながら住宅診断を行うなど、家にまつわる幅広いお悩みやご相談などに対応。年間100件以上の実績で皆様の住宅に関するお悩みを解決します。【資格等】一級建築士・耐震診断アドバイザー・住宅メンテナンス診断士・建物危険度判定士フラット35適合証明技術者など