入居中(居住中)のホームインスペクション(建物診断)についてご紹介します。
購入予定の中古住宅、または年数が経った自宅に欠陥がないか調べたいと思ったときに、
売主の方や自分が住んでいる状態でもホームインスペクションを受けられるのかなと疑問に思いますよね。
そこで今回は、
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入居中でもホームインスペクションができるのか
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居住中のホームインスペクションの流れ
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入居中でもホームインスペクションを受けるべき理由
などについて解説します。
入居中であっても建物診断を受けるべき理由がわかりますので、ぜひ最後までご覧ください。
入居中(居住中)でもホームインスペクションはできるの?
売主がまだ入居中の場合や、現在居住している住宅のホームインスペクションを受けたい場合、家具や家電を置いたままでも診断ができるのか?
先に結論からお伝えすると、入居中でもホームインスペクションを受けられます。
売主が住んでいても建物診断を受けることを了承してもらえれば検査を依頼できますし、点検口などを調べるときに事前に整理頂ければ、家具を設置したままでも調査は可能です。
居住中の場合のホームインスペクションの流れは下記の通りです。
1. 売主が居住中の場合は、建物診断を受けていいか許可を取る
2. ホームインスペクション業者に調査の依頼をする
3. 建物を診断してもらう
4. 検査結果を報告書で確認する
購入予定の物件に売主が入居中の場合、まずはホームインスペクションを依頼しても良いか確認しましょう。
売主に相談する際は、自分たちが安心して生活を送れるよう一度きちんと建物の検査をしておきたいと、診断を受ける理由も併せて説明するのがおすすめです。
売主に検査の許可をもらったら、ホームインスペクション業者に建物の診断を依頼し、日程調整をします。
検査当日は立会いをし、建物の状態について簡単にインスペクター(建築士)から説明を受けましょう。
後日検査結果が報告書で届きますので、建物の修繕を依頼するなどの対応をします。
売主が入居中(居住中)でも建物診断をするべき3つの理由
次に、売主が居住中であっても建物診断を受ける理由について解説します。
まだ売主が住んでいるのに検査をしてもらうなんて失礼かなと躊躇してしまうかもしれませんが、物件の受け渡し前でも検査を依頼しておくのがおすすめです。
それでは、その理由についてお伝えします。
1. 住宅の購入をキャンセルできる場合がある
1つ目が、調査で購入予定の建物に大きな欠陥が見つかった場合、契約前であれば購入をキャンセルできる可能性が高いからです。
契約後に建物の問題が発見されても購入のキャンセルができず、欠陥のある建物に住まなければならないことも考えられます。
こうした事態を防ぐために、事前にホームインスペクションを受けておくと安心です。
2. 修繕費用を売主に請求できる場合がある
2つ目が、売買契約前または物件の引き渡し前であれば、修繕にかかる費用を売主に負担してもらえる場合があるからです。
引き渡し前だと建物の欠陥である瑕疵(かし)担保責任が売主にあるため、買主が修繕費用を負担せずに済む可能性もあります。
物件の引き渡し後にホームインスペクションを受けて欠陥が見つかった場合、修繕費用が自己負担となってしまうこともあるので、費用を負担してもらいやすい契約前に調査を受けておくのがおすすめです。
3. 修繕費用を計算しやすくなる
3つ目が、建物の修繕にかかる費用を把握しやすいためです。
購入予定の中古住宅を調査して欠陥が見つかった場合、購入前にリフォーム費用がどのくらいかかるのかがわかりやすくなります。
購入後に思っていたよりもリフォーム費用がかさんでしまったという失敗がないよう、あらかじめホームインスペクションを受けておくと良いでしょう。
居住中の売主に建物診断をお願いするときに伝えるべき3つのポイント
続いて、入居中の売主に建物診断の相談をする際に伝えると良いポイントについてお伝えします。
ホームインスペクションを受けると売主に言うと、気を悪くしてしまうのではないか、迷惑だと思われるかもしれないと考えてしまいますよね。
そこでここからは、売主に建物の調査をお願いするときに気を付ける点を解説します。
1. 建物の診断する場所や内容を詳しく伝える
1つ目が、建物の診断する箇所や、どのような検査をするのかを説明することです。
住宅のどこをどのように調べられるのかを知らされないままだと、検査を受ける側は納得しにくいため、きちんと診断内容を伝えておくのが重要です。
天井裏に雨漏りが起きていないかや、壁にひび割れがないかを調べさせてもらいますといったように、具体的に説明すると売主も安心できます。
2. 建物診断を受ける理由をきちんと説明する
2つ目が、なぜ建物診断を受けるのかを売主に伝えることです。
ホームインスペクションを受ける前に理由をしっかり説明しておかないと、一方的に建物に問題があると言張され、修繕費を徴収されるのではないかと不信感を与えてしまいます。
そのため、自分たちが今後安心して住み続けるために診断を受けたい、プロに検査をしてもらった上で必要な部分だけ修繕を依頼したいといったように、売主に丁寧に話しておくのがおすすめです。
3. 売主の手を煩わせないよう配慮をする
3つ目が、ホームインスペクションを受けるに当たって、なるべく売主の負担にならないよう配慮することです。
売主もまだ住宅に住んでいて日常生活を送っているため、できるだけ迷惑をかけないというのが大切です。
例えば、検査当日に売主の立会いが必須ではないことや、家の中をきれいに掃除しなくても診断に支障がないと説明しておくと良いでしょう。
自分が現在入居中(居住中)の建物を診断するべき3つの理由
ここからは、自分が所有している建物のホームインスペクションを受けた方が良い理由について解説します。
マイホームを建てて年数が経過してからだと、気付かないうちに建物が劣化している恐れもあります。
安心して暮らしていくために、プロに建物の診断を依頼しておきましょう。
1. 建物の気になる点を建築士に確認してもらえる
1つ目が、気になった箇所をプロに検査してもらえるためです。
なんとなく建物の床が傾いている気がするなど、生活していると今まで感じなかった違和感を覚えることもありますよね。
そこでホームインスペクションを受けると、どのように対処すればいいのか、今すぐ対応すべきなのかをホームインスペクターに診断してもらえます。
診断結果を元にリフォームをすれば、不安な思いをすることなく安心して過ごせます。
2. 気付かないうちに建物が劣化している場合がある
2つ目が、知らない間に住宅が劣化している場合があるためです。
大抵の方が住宅に関する知識があまりないため、建物に欠陥があっても気付けないケースも多くあります。
大地震が発生したときなど、災害時に建物に被害があっては大変なので、建ててから年数が経っている場合は念のため建物診断を受けておくのがおすすめです。
3. 住宅を売却するときに建物の安全性を証明できる
3つ目が、自宅を売りに出す際に、建物が安全であることを提示できるためです。
ホームインスペクションを受けておけば住宅に問題がないと証明でき、中古住宅の購入を検討している方に安心感を与えられます。
そうすると相場よりも高額で売却できる可能性も高まりますので、あらかじめ建物診断を受けておくと良いでしょう。
入居中(居住中)でもホームインスペクションを受けておこう!
今回は入居中のホームインスペクションについて解説しました。
それでは簡単にまとめます。
売主が入居中でもホームインスペクションを受ける理由
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購入をキャンセルできる場合がある
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修繕費用を売主に請求できる場合がある
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修繕費用を計算しやすくなる
自分が居住中の建物を診断する理由
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気になる点をプロに確認してもらえる
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建物が劣化している場合がある
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住宅を売却するときに安全性を証明できる
検査を依頼するときは、あらかじめ売主に建物診断について説明しましょう。
また、自分が現在住んでいる住宅でも、ホームインスペクションを受けておくと安心です。
建物をプロに診断してもらい、安心できる生活を手に入れましょう!