こんにちは。まだまだ寒暖差がある日々が続いていると思います。
皆様体調には引き続きお気をつけてお過ごしください。
今日は弊社が調査に伺ったお家の「耐震診断」と「耐震補強」についてご紹介いたします。
海外で起こった大きな地震のニュースを見聞きする毎日ですが、
日本も地震大国なので、他人事ではない気がしています。
そんな不安を少しでも解消するお手伝いができたら嬉しいです。
耐震診断とは??
耐震診断とは、その名の通り、家の耐震性を調べる調査のことです。
大きな地震が起こった時に、「倒壊しない強さ」があるかどうかを数値化して判定します。
詳しくは7月のブログを参照ください。
今日のブログから耐震診断の重要性が少しでも伝われば嬉しいです!
本日ご紹介するのは、熊本市内の一軒家。
2015年10月に耐震診断を行われています。
その際の総合評価は0.47。
ちなみに耐震診断の評点と判定は以下の通りです。
評点 | 判定 | |
1.5以上 | ◎ | 倒壊しない |
1.0~1.5未満 | 〇 | 一応倒壊しない |
0.7以上~1.0未満 | △ | 倒壊する可能性がある |
0.7未満 | × | 倒壊する可能性が高い |
ということは、「0.47」という数字は、地震が起きた際に「倒壊する可能性が高い」というものです。
そのため、その耐震診断を行った後、補強計画を作成し、お家を補強する工事が行われました。
工事といっても、筋交と金具で強度が足りていない部分を補強するものです。
こんな具合です。





その結果、総合評価1.03(「一応倒壊しない」)というところまで補強することができました。
しかし、2016年4月、熊本地震が起こりました。
震度6強の地震が2回、6弱の地震が3回、というかなり大きな地震が何度も起こりました。
こちらのお家はどうだったでしょうか。
地震から2か月後、2016年6月に、建物の調査(インスペクション)に伺いました。
大きな地震でしたので、確かにダメージはありましたが、
補強をしていたことで、部分的な破損で済んだようです。
この結果は、耐震補強を行っていたからに他なりません。
していなかったら、建物の崩壊につながり命に係わる危険の可能性が高かったと思われます。
耐震診断では家そのものの強度だけでなく、基礎や家の地盤なども調べるので、地震などで環境に変化が生じると、それと同時に結果の内容も変わって来ます。
例えば…
・地盤(普通の地盤なのか、埋立地なのかなど)
・地形(平坦な場所か、斜面なのか)
・基礎(基礎に鉄筋がはいっているか、ひび割れはないか)
・壁(材料はなにか)
・劣化度(築年数はどれくらいか。屋根・床など家の各部がどれくらい劣化しているか)
といったようなものです。
今回は、耐震診断だけでなく劣化を含む建物診断を併用して調べ、補強計画を作成し、
それをもとに耐震補強の工事を行いました。
結果、総合評価1.04(「一応倒壊しない」)レベルの元の強さ程度まで戻すことができました。
【学べる点】
・地震のダメージはかなり大きい!
「私の家はまだ築年数そんなに経ってないし大丈夫!」
「昔、耐震診断したことがあるし、その時問題なかったから大丈夫!」
そんなことを思われたことはおありですか?
「地震の後特に亀裂とかも見られなかったし、特に困ったことはないから大丈夫じゃないかな」
そんな風にお考えでしょうか?
でも建物の内部の強度が徐々に低くなっていたり、お家の環境が変わったり、地震や台風など何かの衝撃で家のバランスが悪くなり、結果耐震強度が弱くなっていることはあり得ます。目に見えなくても、家にとっては台風・地震のダメージはかなり大きいです。
それで、地震の後や台風の後などタイミングを見て耐震診断を行うことは重要です。
その時の災害を乗り切ることができても、次に耐えられる強さがあるとは限りません。
耐震診断と必要な補強工事を行うなら、家の被害を最小限に抑えることができます。
また、耐震診断は建物の強度に特化した診断です。劣化などの詳細な調査(建物診断)と組み合わせることでより明確に建物の状況を確認する事が出来ます。
災害が来る前に、5−10年を目安に耐震診断・住宅診断(ホームインスペクション)を行われることをお勧めします。
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