驚きと同時に、不安を覚える事があります。それも意外とあります。
前回も現在の建物は、金物に頼っているところが大きいとお伝えしましたが、その分金物が適材適所に配置されているか、そしてその場所に確実に施工されているかが建物の精度・耐震性・寿命に大きく影響してきます。非常に重要な部分です。
もちろん、重要な工程ですから役所の検査や保険会社の検査など受けて合格証をもらうことになっています。大事なところですから、重要な検査を義務付けられておれば、普通安心しますよね。
ところが、これが意外と盲点になっています。
今でもそこまで多くはないのですが、新築工事の際に第三者がポイントで建築主に代って現場を検査する工程検査をすることがあります。その中で、この構造金物の施工不良指摘が数件ありました。
昨年のことですが、添付写真の様にもっとも力が掛かる箇所に配置するホールダウン金物があります。これが10か所程度ありまして、配置はされているのですが、驚いたことにナットは差し込んであるものの締付が全くされてない状態でした。しかも、このホールダウン金物については全部でした。
深刻で残念なのは、この工程での役所及び保険会社の検査は、全て終わっており私が指摘しなかったらまず気づかずに内壁のボードを塞いでいた可能性が極めて高かったと思います。
こうなると、新築も中古もないですよね。同じ費用を掛けても雲泥の差があります。
新築工事の際の工程検査は、別予算になりますし躊躇される方もおられますが、身銭を切る事でしがらみのない正当な判断のもと良いものが出来るものです。
是非、新築の際は、第三者による工程検査をお勧めします。
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