住宅診断 調査範囲は建物本体だけでは不十分(擁壁編)

住宅を購入する際に見落としがちなのが、建物本体以外の敷地内及び境界付近の状況です。

 

主に気を付ける点としては、1.敷地の地面の不陸状態に不自然なところはないか。2.敷地内に雨水の排水設備が整備されて正しく機能しているか。3.境界付近のブロック塀の所有区別ははっきりしているか。劣化していないか。

4.段差が1メートル以上ある場合、既存の擁壁は目立つ劣化・破損もなく今後も大きな費用を掛けずに使えるか。5.隣地側に水路や川などがないか6.境界杭があり敷地区分が明確になっているか。等です。

 

ここでは、新築と比べて安い中古住宅を購入したいが、建物に手を加えて住めるものか見て欲しいとの依頼を頂いて調査に行ったら擁壁が危険案状態になっており、かえって高いものにつくところだった物件についてご紹介します。

 

写真で分かる通り、高さ5mほどの段差があり擁壁が組まれています。構造は、下の3mほどが間知石で積まれておりその上にL型の既成コンクリート擁壁を積んであります。想像の範囲ですが、おそらく昔は間知石止まりで緩やかな勾配があり、畑か果樹園であったところを敷地を平らにし、垂直の擁壁をつくる事によって使える敷地を増やしたかったのだと思われます。

 

この構造は、複合擁壁と呼ばれるもので土圧をバランスよく支える事が出来ませんので建築基準上も認められておりません。

 

所有する擁壁などが倒壊し隣地へ被害を及ぼした場合、責任が掛かってきます。

 

皆さん、住いに目が行くのは当然のことではありますが、今一度冷静になって周りも確認しましょうね。

 

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