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住宅診断

ホームインスペクションとは?費用やメリット・デメリットを解説!

この記事では、ホームインスペクションについてご紹介します。

中古住宅の売買をするときに、ホームインスペクションという言葉を聞くことが増えてきましたよね。ホームインスペクションは、第三者が行う住宅検査です。

ホームインスペクションを行えば、住宅の劣化や不具合といった詳細が明らかにできるため、安心して売買ができます。ホームインスペクションの基本からメリット・デメリット、費用の相場まで詳しく解説しましたので、ぜひ参考にしてください。

アメリカでは常識!?ホームインスペクションとは?

ホームインスペクションは、日本語訳すると住宅診断です。その名の通り、住宅について詳しい人が第三者の中立な立場で住宅を診断することを指します。

  • 住宅に不具合が無いか
  • 改修したほうがよい部分は無いか
  • 改修が必要ならいつ頃改修したほうがよいのか
  • 改修にはいくらぐらい費用がかかるか
  • 建物全体の劣化具合

この5つのポイントを、専門知識を持ったホームインスペクターと呼ばれる住宅診断士(インスペクター)が実際に目で見極め、アドバイスを行ってくれます。

住宅を購入する前や、住宅を売りに出す前にホームインスペクションを行うことが多いです。住宅の状態を知れば、より安心して売買ができるため、このタイミングで行われます。

中古住宅の売買が盛んなアメリカでは、ホームインスペクションが当たり前のように活発に行われています。州によっても異なりますが、住宅売買の取引全体の70%から90%の取引で、ホームインスペクションが行われます。
欧州を含め先進国においては、このようなインスペクションの高い利用率で中古住宅を安心して取引できるよう下支えしているのです。

それに比べて日本のインスペクション利用率は正式なデータもない程関心も薄く、なんせ建築士の同業者でさえも知らない人がいるというあり様です。
おそらくホームインスペクションの利用率は住宅売買の取引全体の2〜3%程度ではないでしょうか。

先進国の中で、唯一未だに新築の取引が8割を超える高い水準にあります。
持続可能な地球、ホームインスペクションの活性化は待ったなし!ですね。

住宅診断(インスペクション)の説明義務化の背景

 

日本ではまだアメリカのようにメジャーな存在ではありませんが、だんだんと広まってきている状態です。

ホームインスペクションは「住宅のかかりつけ医」

ホームインスペクションは、住宅のかかりつけ医と例えられることがあります。体調に不安があるときには、まずはかかりつけ医に相談しますよね。それと同じように、住宅に不安があるときに、最初に見てもらうのがホームインスペクションなのです。

ホームインスペクションは、治療まで行わず、状態を把握するために受ける健康診断的位置づけとなっています。ホームインスペクションで一次診断を受けて、異常があれば、詳しく見てもらうのが一般的です。

ホームインスペクションを行う目的とは?

ホームインスペクションは、住宅の現状を知るために行われます。中古住宅を購入するときに、見た目には欠陥が無いように思っても、素人には分からない部分には欠陥があるのかもしれないと不安になる人もいますよね。
そんなときにホームインスペクションを行うと、安心して購入できると共に、トラブルを防止にも繋がります。

日本では、2018年4月に宅地建物取引業法が改正されました。改正によって現在は、中古住宅を売買する際に、ホームインスペクションについて説明すること、そして希望があればホームインスペクションを斡旋することが義務化されています。

改正のポイントは、ホームインスペクションの実施が義務付けられている訳では無いということです。今まではホームインスペクションを知っている人しか受けるチャンスが無かったのですが、改正後は、ホームインスペクションを説明してもらえるため、受ける人が増えています。

ただ、インスペクションをされる事を避けたいと思っている不動産会社などは伝えはするが、必要ない方向に誘導する場合もあるので注意が必要です。

ホームインスペクションを行うタイミングとは?

ホームインスペクションを行うタイミングは、2回あります。

1つ目は、売買契約をする直前です。ホームインスペクションを行って、その結果によっては売買契約を見送る可能性があるなら、契約前に行ったほうがよいでしょう。
中古住宅の場合は、住宅の現状を知ってから契約をしたいという人が多く、売買契約の直前にホームインスペクションを行うことが多いです。

2つ目は、引き渡し直前の内覧会の時です。新築で住宅を購入する場合には、内覧会の時にホームインスペクションを行うとよいでしょう。引き渡し後に欠陥が分かっても対応してもらいにくくなってしまうので、引き渡し前に行うのがベストです。
また、ホームインスペクションを検討しているなら、その旨を伝える必要があります。購入する前からホームインスペクションを検討しているなら、不動産会社に問い合わせる時に伝えるとよいでしょう。

少なくとも購入の申し込みをする前に、ホームインスペクションを検討していることを伝えることがおすすめです。売り主がホームインスペクションを拒否するケースがあるため、ホームインスペクションを検討していることはできる限り早めに伝えたほうがスムーズな取引ができます。
インスペクションをする事を伝えた時の売主側の反応で物件や不動産会社の良し悪しがわかったりもします。

「建物状況調査」と「ホームインスペクション」の違いとは?

建物状況調査とホームインスペクションは、言葉のニュアンスが似ていてどのような違いがあるのかが分かりにくいですよね。
住宅状況調査は、宅建業法に基づいた検査を行う調査のことです。ホームインスペクションは、住宅に施す検査全てのことで、その検査の中に住宅状況調査も含まれます。

ホームインスペクションの中に住宅状況調査が含まれ、それに加えて欠陥住宅でないかの調査を行うという認識です。住宅状況調査で問題が無くても、ホームインスペクションの結果では問題が見つかる可能性があります。

ホームインスペクションを行う費用の相場は?誰が負担するもの?

ホームインスペクションを行う場合、どのくらい費用がかかるのでしょうか。検査を行う住宅の種類によって費用が異なります。

一戸建てよりもマンションのほうが少し費用が安いです。
一戸建て、マンションのどちらもホームインスペクションは、目視を中心とした非破壊検査で行われます。
オプションにはなりますが、床下・屋根裏の詳細調査で、奥深く侵入した日頃人の目には触れないところまで詳しく調査します。

調査にかかる時間は家の規模にもよりますが、ホームインスペクションには、2時間から3時間かかります。
費用の負担については、明確なルールはなく、ホームインスペクションの依頼者が支払うことが多いでしょう。

ホームインスペクションを行うメリット・デメリット

ホームインスペクションを行うとどんなメリットがあるのでしょうか。メリットを調査しました。
合わせてデメリットについても調査したので、ホームインスペクションを検討する人は、ぜひ参考にしてください。

ホームインスペクションを行う4つのメリット

ホームインスペクションを行うメリットは、4つです。住宅を売る立場の人、買う立場の人と立場によって見え方が違います。自分の立場と重ねて読んでみてください。

安心して契約ができる

住宅を買う人はもちろんですが、売る人の立場としても、住宅の状況が分かることで、安心して売買ができるというメリットがあります。
売り主としても、住宅の状況が分かっていないと、どのぐらいの改修が必要なのかを把握できずに、不安が払拭できないまま売買へ移ることはできませんよね。
購入者としては、大きな買い物である住宅の購入で、欠陥住宅を買いたくないという気持ちが大きいでしょう。
ホームインスペクションを行えば、双方どちらの立場であっても、住宅売買を行う上で、安心材料となります。

価格を判断する材料にできる

売る人は、住宅の売値が適正かを判断するときにホームインスペクションが役立ちます。
買う人は、ホームインスペクションの結果からどのぐらい改修が必要で、いくらぐらい費用が必要かを知れるため、購入後の計画を立てやすくなるでしょう。
住宅に問題があるかどうかだけでなく、改修が必要なら、改修費用にいくらかかるのかを知れることがホームインスペクションのメリットです。
住宅購入費用ばかりに目がいきやすいですが、住むことを考えると改修にも目を向けなければいけません。
ホームインスペクションは、改修の費用まで含めた費用を検討できます。

物件の信頼度を上げられるため売りやすくなる

住宅の状態が分からないよりも、ホームインスペクションを行って住宅の状態が分かっているほうが買う人は購入に至りやすくなります。
早く売却ができたり、希望している価格で売れたりといったメリットがあるでしょう。
ホームインスペクションを行って問題があれば、売却する前に改修ができます。
改修された住宅なら、買い手がつきやすくなるでしょう。

売れた後のトラブルが起こりにくくなる

ホームインスペクションを行い、問題があっても、問題があることを契約書に記載し、お互いが納得していれば、売る人がその責任を負うことは無くなります。
ホームインスペクションを行わず、売却後に欠陥があると、トラブルに発展することがありますが、事前に双方が納得していれば、トラブルは起こりにくくなるでしょう。
どのような問題があるのかを契約書にしっかり記載することが重要です。
契約書に記載がなければ、売却前に話しをして買い手が納得していたとしても、後にトラブルに発展する可能性があります。

ホームインスペクションを行う3つのデメリット

ホームインスペクションを行うデメリットは、3つです。
メリットだけでなく、デメリットもあることを覚えておきましょう。

問題が無いとされても欠陥ゼロとは言い切れない

ホームインスペクションは、あくまでも目視検査であって、全ての欠陥を見つけられる検査ではありません。
ホームインスペクションの結果で問題が無いとされても、そこで見つからなかった問題がある可能性はあります。
同じホームインスペクションでも、行う人の技術力や行う会社の検査項目によっても結果が異なるため、調査を依頼する時には注意が必要です。

結果によっては補修の対応が必要となる可能性がある

ホームインスペクションによって問題があると分かったとき、売却前に改修が必要となり、売る人の負担となる可能性があります。
改修が必要なかったとしても、値下げ交渉の材料となることが考えられ、売る人にとってはデメリットが大きく感じることもあるでしょう。

費用と時間がかかる

住宅によって異なりますが、調査費用に4万円から7万円ほどかかります。
ホームインスペクションを行うには、2時間から3時間かかりますが、結果が出るには1週間〜10日ほどかかることが多いです。
費用をかけたくないと思っている人は、住宅購入に必要な経費だと割り切り、早く結果を知りたい人はその場に立ち合う事をお勧めします。

 

ホームインスペクションを行うときの注意点を解説!

ホームインスペクションを検討するときには、2つの注意点を知っておくとよいでしょう。
ここからはホームインスペクションを行うときの注意点について解説します。

中立で優良な業者に依頼する

業者を選ぶときには、中立な立場で検査ができて、技術力の高い業者を選ぶ事が重要です。
ホームインスペクションは、第三者の立場から住宅を検査するものですが、中には住宅を管理している不動産会社の下請け業者がホームインスペクションを行うことがあります。

売る側と関係のある業者が行うと、仕事をもらっているという負い目があり、忖度してしまいがちです。
そのためこの関係は中立の立場とは言いにくいため、売る側とは関係のない業者から選ぶことがおすすめです。

技術のある業者を選ぶには、宅建や一級建築士といった確かな資格を保持しているかどうかを見るとよいでしょう。
あとは、説明を丁寧にしてくれるかといった人柄もチェックすると、安心して任せられます。

物件の売主としての注意点

売る人としては、ホームインスペクションを行うことが必ずしもプラスに働くとは言えません。
大規模な改修が必要となったり、結果によってはなかなか売れなかったりといったマイナス面もあることを理解しておきましょう。

ホームインスペクションを行えば、買い手にとって大きな安心材料となります。
ホームインスペクションを行うなら、調査結果をしっかり受け止める覚悟を決め、買い手に結果を包み隠さず提示することも大切です。

物件の買主としての注意点

買う人は、ホームインスペクションを不動産会社に一任せず、業者選びに関わるなど業者任せにしすぎないようにしましょう。

売り手にとって必ずしもプラスに働くとは言えないホームインスペクションは、不動産会社にとって嫌な存在であることも。
そのような場合、不動産会社がホームインスペクションに向けて動いてくれないといったこともあります。

不動産会社に任せすぎず、ホームインスペクションについて知識をつけて、自分から積極的に動くことが大切です。
真実を知るには、御自分の労力と身銭を切る事が必要です。

インスペクションはイクスプランに依頼しよう!

今回は、ホームインスペクションについてご紹介しました。

ホームインスペクションを行うと、住宅の状態が分かり、売買がスムーズに行えます。
特に、買い手にとっては知っておきたい情報が得られるので、中古住宅の購入をする際にはホームインスペクションを検討しましょう。

ホームインスペクションを行うときには、イクスプランに依頼することがおすすめです。
イクスプランは、年間150件以上の実績がある一級建築士が検査を行います。

住宅の売買をするなら、イクスプランで安心のホームインスペクションを行いましょう。

 

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  • (株)EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所
  • 住所:〒814-0121福岡県福岡市城南区神松寺3-14-20-1013
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中嶋栄二 写真

記事監修:中嶋栄二
EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所代表。建築士でありながら住宅診断を行うなど、家にまつわる幅広いお悩みやご相談などに対応。年間100件以上の実績で皆様の住宅に関するお悩みを解決します。【資格等】一級建築士・耐震診断アドバイザー・住宅メンテナンス診断士・建物危険度判定士フラット35適合証明技術者など