お役立ち情報

住宅診断

ホームインスペクションの費用の相場はいくら?種類別の費用も紹介

目次

この記事では、ホームインスペクションにかかる費用の相場についてご紹介します。

マイホームを購入する予定の方で、建物に欠陥がないか診断してもらいたいけれど、ホームインスペクションがどのくらいの費用がかかるのかなと気になっている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、

  • 種類ごとのホームインスペクションの費用相場
  • ホームインスペクションの費用は誰が負担するものなのか
  • ホームインスペクションを受けるメリット

などについてお伝えします。

検査にかかるおおよその費用がわかり、住宅診断を受ける重要性についても知ることができるので、ぜひ最後までご覧ください。

ホームインスペクション(住宅診断)とは

ホームインスペクションとは、ホームインスペクターである建築士が、建物の劣化状況や欠陥があるかどうか、修繕をする必要があるかなどを検査することです。
第三者の客観的な視点で判断してもらえ、素人では気付けない建物の欠陥を見つけられるのがメリットです。

ホームインスペクションは、一次検査・二次検査があります。
一次検査は雨漏りや床のゆがみがないかなどを目視で確認し、二次検査は、壁や天井の中などを詳しく調査し、必要であれば一部分を破壊して検査します。
一次検査と二次検査を行ってくれる検査業者だと、建物の安全性をしっかり診断してもらえます。

【種類別】ホームインスペクションにかかる費用の相場

続いて、建物ごとにかかる住宅診断の費用の相場について紹介します。
一戸建てとマンションで費用に違いがありますので、購入予定の物件に合わせて確認してみてください。

1.一戸建てのホームインスペクションの相場

一戸建ての建物でホームインスペクションを受ける場合、目視で実施する一次検査の場合は5~7万円道具を使って詳しく検査する二次検査の場合は6~12万円くらいかかります。

2. マンションのホームインスペクションの相場


マンションでホームインスペクションを受ける際は、4~6万円
くらいかかります。マンションの場合、壁などを一部破壊する二次検査を行えないものが多いので、基本的に目視で実施する一次検査のみとなります。

ホームインスペクションの費用は誰が負担するの?

ホームインスペクションを受けるときに、診断にかかる費用は誰が支払うのかも気になる点ですよね。
そこでここからは、不動産会社や個人の売主が費用を負担する場合、買主が費用を負担する場合に分けて解説します。

売主が費用を負担する場合

まずは、不動産会社または個人の売主がホームインスペクションの費用を負担するケースです。
買主が検査費用を負担するケースが多いのですが、不動産会社や施工業者が無償で住宅診断サービスを行っている場合もあります。

しかし、売主が選んできたホームインスペクション業者が診断した場合、簡易的なチェックしかしていないことや売る側に有利な診断を忖度をする可能性があります。費用も売主側が持つとなれば、一見安く上がっていいなと思う方もおられるでしょうが、ただほど恐いものはないとも言いますので、十分注意が必要です。

買主が費用を負担する場合


住宅を購入予定の買主が検査を依頼する場合は、買主が検査費用を負担します

住宅診断を受けるときには、不動産会社や自分の家を売る売主に検査を受けてもよいか確認が必要です。

診断費用は発生しますが、建物の安全性をきちんと確かめられるので、検査を受ける価値は十分にあります。
痛い出費になるかも知れませんが、そこは必要経費と割り切って受けるようにしましょう。

売主がホームインスペクションを受ける3つのメリット

ここからは、不動産会社または個人の売主がホームインスペクションを受けることで得られるメリットについて解説します。
住宅診断は買主にばかりメリットがあるように感じますが、売主側にもいくつかメリットがあります。

それでは、1つずつ説明します。

1.建物の安全性を証明できる

1つ目が、建物が安全である証拠を提示できることです。
ホームインスペクション業者に検査をしてもらい、売却予定の物件が安全であると証明できれば、買主に安心感を与えられます。

また、建物に欠陥がないことを記載すれば、物件の問い合わせの件数も増え、相場より高い価格設定にしても買い手がつく可能性もあります。

2. 物件の売却後のトラブルを防げる

2つ目が、建物の売却後に買主とのトラブルを回避できることです。
売却後に建物の欠陥が発覚した場合、修繕費用はどちらが負担するのか、契約を解除できないのかなどといった問題が出てきてしまいます。

また、契約書の内容と異なるものを販売したときに問われる「契約不適合責任」について追及される恐れもあります。
こうしたトラブルを事前に防ぐためにも、売却前にホームインスペクションを受けておきましょう。

3. 瑕疵担保保険が付与される

3つ目が、瑕疵(かし)担保保険の加入要件を満たせることです。
瑕疵担保保険とは、物件の売却後に欠陥(瑕疵)が見つかった場合、修繕費用を保障してもらえる保険制度のことです。
瑕疵担保保険に加入するには、保険会社の基準に基づく診断を受けて保険の基準をクリアする必要があります。
保険会社の基準はホームインスペクションの一部になりますので、ホームインスペクションを受けていれば診断を割愛できます。

ただ、特約事項など特別な事項の場合もあるので、ホームインスペクションを実施する前に保険加入の意志を伝える必要があります。
ただ保険対象となる被害項目については修繕にかかる費用を保険金で補えますが、何でもかんでも保険で直せるわけではありません。
保証期間も1年とか、長くて5年と限定的なものです。
保険で安心感を得るのも1つの選択肢ですがそれ以上にしっかりしたホームインスペクションを強くお勧めします。

買主がホームインスペクションを受ける3つのメリット

続いて、物件の買主がホームインスペクションを受けるメリットについて解説します。
買主があらかじめ住宅診断を受けておけば不安なく生活でき、修繕が必要な際も売主に費用を負担してもらえる場合もあるので、入居前に検査を依頼しておきましょう。

1.建物に欠陥がないか入居前に確認できる

1つ目が、実際に住む前に建物に問題がないか調べてもらえることです。
新しい住居に引っ越してから建物に欠陥が見つかった場合、地震が発生して被害が起きたらどうしようなど、不安を抱えながら生活しなくてはなりません。
入居してからの修繕工事は、業者がいれば当然立ち合わなければいけない、ものは置けない、片付かない等大変です。
業者も気を遣いながらの工事なのでなかなか終わりません。

また、新築であれば工事中に修繕を済ませられ、中古物件でリフォームをする場合は同時に修繕作業を行えるのもメリットです。

2. 修繕費用を売主に負担してもらえる場合がある

2つ目が、建物の修繕にかかる費用を売主に負担してもらえる可能性があることです。
契約前にホームインスペクションを受け、万が一欠陥が見つかった場合、不動産会社などの売主に工事費用を支払ってもらえることもあります。
診断を受けておらず、入居後に欠陥が見つかっても、契約後だと修繕費用が自己負担となってしまう場合もあるので、契約前にホームインスペクション(住宅診断)検査をしておくのがおすすめです。

3. 修繕にかかる費用を計算しやすくなる

3つ目が、購入予定の中古住宅のリフォーム費用を把握しやすくなることです。

中古物件を購入する場合、最初からリフォームするのを前提にしているケースもあります。
ホームインスペクションを受けていなかったときに、工事が始まってから想像以上に建物が劣化していたり、大きな欠陥が見つかり、予定よりもリフォーム費用がかさんでしまうこともあります。

そのため、あらかじめ住宅診断を受け、修繕費用も含めてどのくらいのリフォーム費用がかかるのか見積もりを出してもらうと良いでしょう。

ホームインスペクションを依頼してから診断までの流れ

ホームインスペクション業者に依頼をしてからの流れは、下記の通りです。

  1. ホームインスペクション業者に依頼をする
  2. 診断に必要な書類を用意する
  3. ホームインスペクションを受ける
  4. 調査結果が通知される

まずは、ホームインスペクション業者に依頼をし、診断にかかる費用と調査内容を確認してから検査の日程を調整しましょう。

次に、診断の際に必要な書類を準備し、メールやFAXで依頼する業者に送付しておきます。
検査当日は売主にも立ち会ってもらい、インスペクターから簡単に建物の状態について説明を受けます。

後日診断結果が送付されるので、結果によって建物の修繕を売主や施工業者に依頼します。

ホームインスペクションの実施範囲について

この章では、ホームインスペクションをする箇所についてお伝えします。
実際に住宅診断では建物のどの場所を検査するのかを説明します。

基礎

目視や打診棒という道具で叩くなどして状態を確認し、ヒビ割れや傾きがないか、カビが発生していないかなどを調べます。

外壁

目視や触診などで判断し、ヒビがあった場合はどれくらいの長さ・深さかを調べます。

室内

天井や床のシミやヒビ、たわみを目視または機材を使って確認し、ドアの開閉具合も調べます。

水回り

排水の状態や、水漏れを起こしていないかを確認します。

イクスプランにおけるホームインスペクションの検査箇所一覧

基礎・外壁

ひび割れ、仕上材の剥離・欠損・浮き、表面のカビ・変色・シミ・ジャンカ、傾き、鉄筋の露出、白華現象、基礎パッキン及び水切りの状況、換気口の状態、蟻道、防水シートの破断、シーリング材の破断、設備器具の固定箇所及びスリーブ周囲の防水状況

屋根周辺

割れ、欠損、ずれ、腐食、仕上材の色褪せ、保護層の著しいせり上がり、防水層の破断、破風の塗装落ち、水切り等金属部の錆・腐食、雨樋の破損・ひび割れ・掴み金物のぐらつき・つまり

バルコニー

床の沈み・欠損・腐食・勾配、防水層の破断、排水溝の勾配、排水口のつまり、オーバーフローの有無、手すりのぐらつき、支持部の欠損、支持部の割れ、支持部の腐食、立ち上がり壁(内側)の欠損、立ち上がり壁(内側)の割れ、物干し金物の取り付け状態、物干し金物の動作

外構

ブロック塀、フェンス等の不良、アプローチの不良、玄関・車庫の門扉等の不良、電気・ガス・水道の各メーターの設置場所の使い勝手・見易さ、雨水・雑排水・汚水桝の設置状況、蟻害、門柱等の設置物の著しい劣化・異常、犬走り・テラス・地面の勾配・著しい陥没、排水溝のつまり・勾配

屋外部分その他

隣地境界の明確性、道路境界の明確性、屋根・雨樋等の構築物の越境、植栽の明らかな越境、屋外シンクの使用可否・設置状況・赤水

床下

ひび割れ、腐朽・腐食、土台と床組みの接合部の浮き、シミ、水濡れ、束の浮き、束石の沈み、金物の設置位置と固定状況、金物等の錆、鉄骨の錆、カビ、蟻道、蟻害、断熱材の有無、断熱材の設置状況、給排水管の固定状況・損傷、給排水管のからの漏水、漏水跡、異常な湿気、防腐・防蟻処理の有無、著しい地盤の陥没、地面、土間のひび割れ、ユニットバス周りの基礎断熱の有無、工事残存物、ゴミの有無

屋根裏

木部のひび割れ・欠損・剥がれ、鉄骨材の劣化・腐朽・腐食・錆、金物の設置位置と固定状況、金物の錆 配線の整理・固定・被覆状況、屋根裏の断熱材の有無、屋根裏の断熱材の設置状況、漏水跡、シミ、異常な湿気、蟻害、蟻道、カビ、F☆☆☆☆のマークの有無、壁内の筋交いの有無、壁内の筋交い上端分の金物の設置状況、火打ち梁の有無、外壁内の断熱材の有無、外壁の内張りの有無

上記の項目はイクスプランの作業項目を一部抜粋したものです。実際には数百に及ぶ項目をチェックします。

ホームインスペクションを受ける際の注意点

ホームインスペクションを依頼する際に気を付けるべきポイントについて解説します。
住宅診断を受けるときは、これからお伝えする内容を参考にしてみてください。

1. 早めに診断の依頼をしておく

ホームインスペクションを受けるときは、なるべく早く依頼しておきましょう
ホームインスペクション業者に依頼をし、検査の日程が決まるまで1週間ほどかかり、さらに診断を受けてから報告書が届くまで1週間くらいかかるので、最低でも2週間はかかることを見越して問い合わせをするのがおすすめです。

2.きちんと責任を持って検査をしてくれる業者を選ぶ

ホームインスペクション業者を選ぶ際は、しっかりと調査をしてくれる会社を選びましょう
ざっくりとしたチェックしかしてくれず、細かい箇所を確認しないのでは診断を依頼した意味がないので、検査実績が豊富かどうか、対応が丁寧かなどを確認し、信頼できそうな業者を選んでみてください。

ホームインスペクションを活用して建物の安全性を確認しよう!

今回はホームインスペクションにかかる費用の相場について解説しました。
それでは簡単にまとめます。

一戸建てのホームインスペクションの相場

  • 一次検査:5~7万円
  • 二次検査:6~12万円

マンションのホームインスペクションの相場

4~6万円

費用を売主が負担する場合

  • 売主がホームインスペクションを依頼したとき
  • 簡易的な検査しかしてもらえない場合もある

費用を買主が負担する場合

  • 買主がホームインスペクションを依頼したとき
  • 自分で業者を選ぶので、きちんと診断してもらえる

ホームインスペクションは費用こそ発生しますが、これから生活する住宅が安全かどうかをきちんと調べられるので、入居前にしっかり検査をしておきましょう。

 

住宅診断に関するお問い合わせ・ご相談はこちら

  • (株)EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所
  • 住所:〒814-0121福岡県福岡市城南区神松寺3-14-20-1013
  • Tel  092-862-8880

ウェブから問い合わせる ▶

 

中嶋栄二 写真

記事監修:中嶋栄二
EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所代表。建築士でありながら住宅診断を行うなど、家にまつわる幅広いお悩みやご相談などに対応。年間100件以上の実績で皆様の住宅に関するお悩みを解決します。【資格等】一級建築士・耐震診断アドバイザー・住宅メンテナンス診断士・建物危険度判定士フラット35適合証明技術者など