目次
住宅展示場や分譲地に、住宅の購入を希望する方たちに向けて建てられているモデルハウス。
ハウスメーカーによってはモデルハウスを販売することもありますが、新築住宅とどのような違いがあるのか気になっている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は
- モデルハウスを購入するメリット・デメリット
- モデルハウスを購入する際の7つの注意点
- モデルハウスを購入するときの3つのポイント
などについてお伝えします。
モデルハウスの良い点・注意すべき点がわかるので、モデルハウスについて気になっている方はぜひ最後までご覧ください。
住宅展示場や分譲地に建てられているモデルハウスは購入可能
はじめにモデルハウスについて簡単に説明します。
モデルハウスは住宅の購入希望者の見本となる物件のことです。
住宅展示場や分譲地に建てられており、見学者は中に入って内装や設備を確認できます。
住宅展示場に建てられているモデルハウスは、一定期間が経ったら新しいものに建て替えられるので、既存の建物が売りに出されるケースがあります。
住宅展示場からは建物を撤去しなければならないため、一度解体して別の土地で組み立て直す「リユースハウス」となります。
分譲地のモデルハウスは、建売住宅が並んでいる分譲地に建てられているもので、他の建売住宅が完売した場合や、一定期間が経過してから販売されます。
住宅展示場の場合と違い土地もセットになっているので、購入後すぐに住めるのが特徴です。
モデルハウスを購入する5つのメリット
次に、新築住宅と比べてモデルハウスを購入するメリットについて解説します。
モデルハウスを購入するメリットは次の5つです。
- 格安で一戸建てを購入できる
- 建物の設計を考える手間を省ける
- 自分たちが生活をするイメージがつきやすい
- 設備や家具付きの物件が手に入る
- 分譲地のモデルハウスは購入後すぐに住める
それでは1つずつお伝えします。
1.格安で一戸建てを購入できる
1つ目が、モデルハウスは販売時に値引きされ、通常より安く購入できることです。
モデルハウスは多くの見学者が出入りしており、建物が建てられてから1~5年ほど経っています。
そのため新築住宅の販売価格と比べ、分譲地であれば1割~2割ほど、住宅展示場であれば2割~3割ほど値引きされます。
住宅は人生の中でも大きな買い物なので、格安価格で購入できるのは大きなポイントです。
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2.建物の設計を考える手間を省ける
2つ目が、モデルハウスはすでに建物で出来上がっている状態であるため、建物の間取りを考える手間や時間を省けることです。
注文住宅の場合はハウスメーカーや建築士と相談し、間取りや設備を1つずつ決めていきます。
自分好みの家を建てられるメリットはありますが、一からすべて決めていくまで時間がかかり、面倒に感じる場合も。
モデルハウスであれば完成された建物を購入できるので、あれこれ悩まずにすぐに入居できます。
3.自分たちが生活をするイメージがつきやすい
3つ目が、モデルハウスは実際に住み始めてからの様子を想像しやすいことです。
モデルハウスの場合、完成済みの建物を見学してから購入を決められるので、リビングはどのように使うか、子供部屋や書斎はどの部屋にするかなど、イメージしやすくなります。
注文住宅は設計図の段階から考えるので、完成したときにイメージと違ったと感じるケースもあります。
すでに建物が出来上がっていれば中に入って実物を確認できるので、自分たちの生活スタイルに合った住宅を見つけられます。
4.設備や家具付きの物件が手に入る
4つ目が、モデルハウスは設備や家具、家電が備え付けられていることです。
モデルハウスは入居後の生活をイメージしやすいよう、キッチンやお風呂、トイレ、洗面台などの設備がそろっています。
またベッドや家電が備え付けられているものもあり、入居したらそのまま使用できます。
モデルハウスはハイグレードなものが導入されていることも多く、通常より低価格で機能が充実した設備を手に入れられるケースもあります。
ただ宿泊体験を実施しているモデルハウスは水回り設備が使用済みであり、家具や家電に傷や汚れが付いている場合もあるので注意が必要です。
5.分譲地のモデルハウスは購入後すぐに住める
5つ目が、分譲地に建てられているモデルハウスはすぐに入居できることです。
注文住宅は建物が出来上がるまで時間がかかりますが、分譲地のモデルハウスは建築済みの住宅を購入するため、購入したらすぐに住めます。
一から家を建設するとなると、工事が遅れて予定より入居時期が伸び、転居の時期がずれてしまう場合もあります。
一方すでに建てられている住宅に移り住む場合は、スムーズに転居でき、予定を組みやすくなるのが特徴です。
モデルハウスを購入する5つのデメリット
モデルハウスは通常より安い価格で買えるなどのメリットがある一方、デメリットもいくつかあります。
モデルハウスを購入するデメリットは次の通りです。
- モデルハウスは新築物件ではない
- 予想より修繕費がかさんでしまう場合がある
- 自分で間取りや設備を決められない
- 光熱費が高くなる場合がある
- 抽選のため必ずしも購入できるとは限らない
それでは詳しく解説します。
1.モデルハウスは新築物件ではない
1つ目が、モデルハウスは建てられてから年数が経っている中古住宅であることです。
モデルハウスというと真新しい建物のイメージがありますが、販売される頃には築年数が1~5年になっています。
そのため傷や汚れが付いていたり、設備に不具合が出たりすることも。
また新築住宅であれば「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」により、引き渡しから10年間は建物の重大な欠陥である瑕疵(かし)が見つかったときに売主に責任を追及できますが、中古住宅であるモデルハウスは対象外となる場合もあります。
以上のことからモデルハウスを購入するときは、修繕費の負担先についてきちんと確認しておきましょう。
2.予想より修繕費がかさんでしまう場合がある
2つ目が、傷や汚れがひどかったり欠陥が見つかったりして、想定より修繕費が高額になることです。
モデルハウスは見学時に多くの人が出入りするため、傷や汚れが目立つ場合も多くあります。
また、モデルハウスのなかには施工ミスやずさんな工事により、床が傾いていたりドアや窓の建て付けが悪かったりする欠陥住宅も見受けられます。
このような場合大がかりな修繕が必要になり、コストも膨れ上がってしまいます。
モデルハウスを購入する場合は、契約前にホームインスペクション(住宅診断)を受けて建物の状態を調べてもらい、施工業者やリフォーム会社に修繕費の見積もりを出してもらいましょう。
イクスプランでは住宅のホームインスペクションを承っていますので、一度ご相談ください。
3.自分で間取りや設備を決められない
3つ目が、モデルハウスの場合はすでに完成しているため、自分好みの間取りや設備を選べないことです。
建築済みの住宅を購入することになるので、一から設計を考えたり、カタログを見て気に入った設備を入れたりすることはできません。
モデルハウスは多くの方が住みやすいよう設計されていますが、間取りや設備にこだわりたい方は物足りなく感じるでしょう。
4.光熱費が高くなる場合がある
4つ目が、建物の構造やハイスペックな設備により、光熱費が高くなる場合があることです。
モデルハウスには天井が吹き抜けになっていたり、間口が広い掃き出し窓が付いていたり、広い浴槽が付いていたりするものもあります。
これらは見た目は良いものの、冷暖房が効きにくかったり、たくさんの水が必要かつ追い炊きに時間がかかったりして、光熱費がかかってしまいます。
モデルハウスを見て購入を決める際は、ランニングコストも考慮しましょう。
5.抽選のため必ずしも購入できるとは限らない
5つ目が、モデルハウスの購入者は抽選で決められるため、確実に購入できるわけではないことです。
モデルハウスは通常より安い価格で販売されるため、購入を希望する人が集まりやすく、販売の際は抽選形式が多いので、欲しいと思った物件を手に入れられない場合もあります。
特に立地が良い分譲地のモデルハウスは倍率が高くなる傾向にあります。
このようにモデルハウスは確実に購入できるわけではないことを念頭に置いておきましょう。
モデルハウスを購入する際の7つの注意点
続いて、モデルハウスを購入するときに気を付けるべき点についてお伝えします。
モデルハウスを購入する際の注意点は次の通りです。
- 建物に欠陥がないかどうか確認する
- 修繕費がいくらかかるか見積もりを出してもらう
- 瑕疵担保責任保険に加入済みか確認する
- 建物の耐震性や断熱性を調べる
- 建物の間取りをチェックする
- 物件の保証制度について売主に確認する
- 住宅周辺の環境を調べておく
モデルハウスを購入する際は、建物にひびが入っていないかや、雨漏りを起こした跡がないかを調べておきましょう。
自分で調べても見落としてしまう場合があるので、第三者機関にホームインスペクションを依頼することをおすすめします。
検査のときに建物の耐震性や断熱性もチェックしてもらってください。
修繕が必要な場合はリフォーム会社などに見積もりを出してもらい、修繕費が予算内に収まるか確かめましょう。
また、中古住宅に瑕疵が見つかったときに保険が適用される「既存住宅瑕疵保険」に加入しているか、購入した物件に不具合が起きたときの保障はどうなっているかなども確認します。
さらに家から駅、バス停までの距離や、学校やスーパーなどが近くにあるか、その土地の治安についても調べてみてください。
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モデルハウスを購入するときの3つのポイント
最後に、モデルハウスを購入する際にチェックしておくべき点について解説します。
モデルハウスを購入するときのポイントは次の3つです。
- 長く住み続けることを考えて判断する
- デザイン性とコストのどちらを優先するかを決める
- 自分たちの生活スタイルに合っているか考える
それぞれお伝えします。
1.長く住み続けることを考えて判断する
長い期間住むことを意識し、自分たちの生活スタイルに合うかどうか判断しましょう。
モデルハウスに一度見学しただけで思いつきで購入を決めてしまうと、後から生活をしていて不便に感じる可能性も考えられます。
モデルハウスを購入するときは直感で決めず、間取りは自分たちのライフスタイルに合っているか、子どもたちが大きくなっても対応できるかなども考えておきましょう。
2.デザイン性とコストのどちらを優先するかを決める
モデルハウスを購入するときには、デザインなど見た目を優先するか、ランニングコストを重視するか決めておきましょう。
例えば吹き抜けの天井は開放感はありますが、室内の空気を温めたり冷やしたりするまでに時間がかかり、光熱費が高くなります。
ランニングコストはかかっても部屋の印象を優先するのか、コストを抑えるためにコンパクトな構造の建物を選ぶのか判断基準を決めておくと良いでしょう。
3.自分たちの生活スタイルに合っているか考える
モデルハウスの購入を検討するときは、見た目の華やかさだけで判断せず、自分たちの生活水準に合ったものを選びましょう。
ハイグレードな設備や豪華な装飾が付いている物件もたくさんありますが、実際に住んでみると便利な機能を使わなかったり、ドアや壁の装飾が不要だと感じたりする場合もあります。
見学をしたときは魅力的に見えますが、本当に必要かどうか一度冷静になって考えてみてください。
モデルハウスを購入する前にホームインスペクションを依頼しておこう
今回はモデルハウスを購入するメリットやデメリット、モデルハウスを購入するときの注意点、選ぶ際のポイントについてお伝えしました。
モデルハウスは低価格で購入できるなどメリットがある一方、修繕費がかさむなどデメリットもありますので、購入する際は注意点もしっかりチェックしておきましょう。
イクスプランでは、中古住宅のホームインスペクションを承っております。
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- 記事監修:中嶋栄二
- EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所代表。建築士でありながら住宅診断を行うなど、家にまつわる幅広いお悩みやご相談などに対応。年間100件以上の実績で皆様の住宅に関するお悩みを解決します。【資格等】一級建築士・耐震診断アドバイザー・住宅メンテナンス診断士・建物危険度判定士フラット35適合証明技術者など