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新築住宅の施主検査で起きる4つのトラブルとクレームを伝えるときの注意点

新築住宅を建設後、家の持ち主である施主(せしゅ)が建物の確認をする「施主検査」が行われます。

建物の最終チェックの役割がある施主検査ですが、この検査中にハウスメーカーや工務店とトラブルが発生する事例もあります。

 

そこで今回は

 

  • 新築住宅の施主検査で起きる4つのトラブル
  • 新築住宅の施主検査でチェックするべきポイント
  • 施主検査でクレームを伝えるときの6つの注意点

 

などについてお伝えします。

 

施主検査で建物の不具合を見つけたときの対処法がわかるので、マイホームを購入予定の方はぜひ最後までご覧ください。

 

新築住宅の建設後に行われる施主検査とは?

新築イメージ

はじめに施主検査について簡単に解説します。

施主検査は家を建て終えた後に行われる検査のことで、施主が立ち会って建物に異常がないかを調べます。

修繕してほしい箇所があった場合や、変更したい部分があったときにはハウスメーカーや工務店の担当者に伝え、修正をしてもらいます。

入居前に建物の不具合や気になる点を修繕してもらえれば、気持ち良く新生活をスタートできるので、施主検査でしっかりとチェックしておくことが重要です。

 

新築住宅の施主検査で起きる4つのトラブル

新築イメージ

次に、施主検査で起こりやすいトラブルの事例を紹介します。

新築住宅の施主検査で起きるトラブルは次の4つです。

  • 施工ミスや工事が雑な箇所が多い
  • 図面と完成した仕様が違う
  • 建物にひび割れや雨漏りを起こした跡がある
  • 工事が遅れていて施主検査ができない

それではそれぞれ解説します。

 

1.施工ミスや工事が雑な箇所が多い

1つ目が、施工ミスやずさんな工事がされている箇所が多いパターンです。

施主検査のときに建物を見ていると、柱の本数が足りなかったり、断熱材が入れられていなかったりと、施工ミスに気付く場合があります。

また壁材がはがれていたり、設備と床の間に隙間が空いていたりと、仕上がりがきれいではない場合もあります。

柱が足りないと建物をきちんと支えられず、地震で大きな揺れが起きたときに損壊または倒壊する恐れがあります。

断熱材がきちんと敷かれていないと断熱性が落ち、冬は寒く夏は暑く感じ、冷暖房の使用頻度が増えることで光熱費も高くなってしまいます。

手抜き工事で見た目が悪いと、せっかく新しい家を建ててもがっかりしてしまうでしょう。

気になる点は売主にはっきりと伝え、建物の引き渡し前までに修繕してもらいましょう。

 

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2.図面と完成した仕様が違う

2つ目が、建物の図面と見比べたときに、完成後の建物が異なるパターンです。

柱の位置が変わっていたり、窓の位置が変更されていたりと、図面通りに施工されていない場合があります。

また、ドアや収納の色が仕様書に記載してあるものと違っている場合もあります。

建設工事は人の手で行われるため、どうしてもこのようなヒューマンエラー(人為的な不注意)が起こってしまいます。

入居前に気付き修繕してもらえるよう、施主検査のときは図面や仕様書と照らし合わせてチェックしてみてください。

 

3.建物にひび割れや雨漏りを起こした跡がある

3つ目が建物にひびが入っていたり、雨水が染みた跡が残っていたりするパターンです。

施工ミスで壁や柱の数が足りず、重さに耐えきれずにひびが入ってしまったり、屋根材に隙間ができていて雨水が入り込んでしまったりしている場合があります。

このような状態を放置してしまうと、地震や台風などの自然災害が起きたときに建物が大きなダメージを受けてしまいます。

これらは重大な欠陥である瑕疵(かし)にあたるので、早急に施工会社に修繕を依頼しましょう。

 

4.工事が遅れていて施主検査ができない

4つ目が、予定より工事が遅れていて施主検査を当初の日程で行えないパターンです。

天候不良や資材や建材の供給が遅れていたり、施工ミスが多く修繕に時間がかかったりした場合、スケジュールが押して施主検査が予定通りできないといったケースがあります。

施主検査は建物がすべて完成してから行う検査なので、工事が終わらなければ実施できません。

工事期間が延びれば建物の引き渡し日も遅れるため、工事の進捗状況を定期的に確認し、長引きそうな場合はマンションの退去日や住宅ローンの契約日なども調整しましょう。

 

新築住宅の施主検査でチェックするべきポイント

住宅診断イメージ

続いて、施主検査で確認しておくべき点についてお伝えします。

新築住宅の施主検査でチェックするべきポイントは以下の通りです。

  • 図面通りに施工されているか
  • 依頼した通りに工事が行われているか
  • 建物や設備に傷や汚れが付いていないか
  • ひび割れや雨漏りの跡がないか
  • 床や壁が傾いていないか
  • ドアや窓はスムーズに開閉できるか
  • 設備に異常がないか
  • 水漏れが起きていないか
  • 収納などの建付けは問題ないか
  • コンセントの数や位置は合っているか

施主検査のときは図面を持参し、メジャーで寸法を測りながら図面通りに工事が行われているかチェックしましょう。

また仕様書を見ながら、変更点がきちんと反映されているか調べます。

傷やひび割れ、雨漏りの跡がないかも隈なく見て回りましょう。

ドアや窓、水道の蛇口も動かしてみて、問題なく開閉できるかや水漏れを起こしていないか確かめてみてください。

インターホンや給湯設備も操作してみて、異常がないか確認しておきましょう。

 

新築住宅の施主検査で用意するべきもの

調査のイメージ

施主検査に参加する際は、以下の道具を持参しましょう。

  • 設計図・間取り図・仕様書
  • 筆記用具
  • メジャー
  • デジカメ・スマホ
  • スリッパ
  • 懐中電灯
  • 付箋
  • 水平器

設計図や間取り図、仕様書を用意し、完成後の建物を1箇所ずつチェックしていきましょう。

メモを取るための筆記用具も持参し、室内や外装をカメラやスマホで写真に収めておきます。

土足では家の中に上がれないので、スリッパも忘れずに持って行きましょう。

気になった点は付箋を貼っておき、わかりやすいよう目印をつけます。

天井裏など暗い部分を照らすために懐中電灯や、床の傾きを調べるのに水平器があると便利です。

 

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施主検査をするタイミング

施主検査は建物の引き渡し日の1〜2週間前までのタイミングで行うことをおすすめします。

早めに検査をしておくことで、不具合が見つかったときに引き渡し日までに修繕できるためです。

施主検査は2~3時間くらいかかりますが、検査が長引いたときのために検査後は予定を空けておくとよいでしょう。

 

施主検査でクレームを伝えるときの6つの注意点

注意点のイメージ写真

ここからは施主検査で気になる箇所を見つけ、ハウスメーカーや工務店の担当者に指摘するときに気を付けるべきポイントについてお伝えします。

施主検査でクレームを伝えるときの注意点は次の通りです。

  • 不具合が生じている箇所を写真に残しておく
  • 修繕が必要な箇所を書面で伝える
  • いつまでに対応してもらえるか確認をする
  • 気になる点はきちんと確認しておく
  • 細かいところまで指摘しないように気を付ける
  • 不安なときは第三者に立ち会ってもらう

売主とトラブルにならないよう、適切な伝え方を心掛けてみてください。

 

1.不具合が生じている箇所を写真に残しておく

1つ目が、設計図通りに施工されていないところや、傷が付いているところなどを写真に撮り、証拠を残しておくことです。

口頭では上手く伝えられない場合も多いので、写真を見せながら工事の担当者に伝えましょう。

施主検査で気になった点があったら付箋を貼り、どこに問題があるか分かりやすくしておくと良いです。

 

2.修繕が必要な箇所を書面で伝える

2つ目が、修繕してほしい箇所を文章で書き起こしておくことです。

施主検査のときにその場で担当者に伝えても、忘れられてしまったり上手く伝わらなかったりする場合もあるので、きちんと書面にまとめて提出しましょう。

書面にした方がお互いに確認しやすく、修繕後に指摘した箇所が直っているか確かめやすくなります。

 

3.いつまでに対応してもらえるか確認をする

3つ目が、指摘した箇所の修繕をいつまでに対応してもらえるか聞いておくことです。

建物の引き渡し日までに修繕作業が終わっていないといったトラブルを防ぐため、作業のスケジュールを把握しておきましょう。

作業の完了予定日を聞いたらメモに残しておき、認識のずれが起きないようにしてください。

 

4.気になる点はきちんと確認しておく

4つ目が、施主検査で少しでも気になる点があれば、担当者に質問をしておくことです。

検査中に疑問に感じても「クレーマーだと思われるのではないか」「気にするようなことでもないのかもしれない」と思ってしまい、入居してからきちんと確かめておけばよかったと後悔する場合もあります。

施主検査は担当者に直接質問できる貴重な機会なので、できるだけ質問をして不安な点を解消しておきましょう。

 

5.細かいところまで指摘しないように気を付ける

5つ目が、あまり細かな点までクレームをつけないよう配慮することです。

建材や設備を搬入するときなどに、どうしても細かい傷が付いたり、壁紙が少しへこんだりしてしまいます。

これらをすべて指摘してやり直しを依頼すると、施工業者から反感を買ってしまい、修繕に応じてもらえないなどのトラブルに発展する恐れがあります。

明らかに目立っていて気になる傷やへこみ以外は、あまり厳しく注意しないようにしまよう。

 

6.不安なときは第三者に立ち会ってもらう

6つ目が、自分たちで建物の検査をするのが不安な場合は、第三者機関に立ち会いを依頼することです。

建物に欠陥がないかきちんと調べられる自信がない、プロにしっかり検査をしてほしいという方は、建築のプロに施主検査の立ち会いをしてもらうことをおすすめします。

ホームインスペクション(住宅診断)を行っている業者のなかには、施主検査の立ち会いを受け付けているところもあります。

自分たちでは気づかなかった問題点を指摘してもらえる場合もあるので、一度検討してみてください。

イクスプランでは、「新築一戸建て診断」もしくは「新築内覧会立会」のサービスを承っております

検査に同行し、建物に欠陥がないかなども、くまなくしっかりチェックいたしますので、まずはお問い合わせください。

 

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新築住宅の施主検査は第三者機関に立ち会いを依頼しよう

ホームインスペクションをするイクスプランの中嶋代表

今回は新築住宅の施主検査についてお伝えしました。

施主検査は建物の引き渡し前に不具合がないかチェックする重要な検査です。

新居に引っ越してから欠陥が見つかると、修繕の手間がかかり、費用もかさんでしまいます。

検査時に気付いて修繕を依頼し、気分良く暮らし始められるようきちんと確認をしましょう。

イクスプランでは、弊社所属の建築士による施主検査の立ち会いを承っております

建物の基礎や外壁にひびが入っていないか、屋根材がずれていないか、排水口がつまっていないか、床下や屋根裏、壁裏に断熱材が入れられているか、屋根裏に漏水の跡がないかなどをしっかり検査いたします。

目視や専用の機器を使って正確にお調べいたしますので、安心してお任せください。

一戸建てを購入する予定の方は、ぜひ当社へ施主検査の立ち会いをご依頼ください。

 

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記事監修:中嶋栄二
EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所代表。建築士でありながら住宅診断を行うなど、家にまつわる幅広いお悩みやご相談などに対応。年間100件以上の実績で皆様の住宅に関するお悩みを解決します。【資格等】一級建築士・耐震診断アドバイザー・住宅メンテナンス診断士・建物危険度判定士フラット35適合証明技術者など