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欠陥住宅だと気付いたときの対処法|気をつけるべきポイントとは

この記事では、新しく建てた住宅や、購入した建物が欠陥住宅だと気付いたときの対処法についてご紹介します。

念願のマイホームを手に入れた後、天井から雨漏りしている、壁に大きなヒビが入っているなど購入した建物が欠陥住宅だとわかったときに、どう対処すればいいのか困ってしまいますよね。

そこで今回は

  • 欠陥住宅だと気付いたときの4つの対処法
  • 欠陥住宅かどうか調べるための4つの方法
  • 欠陥住宅をつかまないための5つのポイント

などについて解説します。

マイホームに欠陥が見つかり、どうすればよいのかわからないという方や、欠陥住宅をつかまないために知識をつけておきたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

欠陥住宅とは

始めに欠陥住宅について解説します。

欠陥住宅とは、建築基準法で定められている基準を満たしていない建物を指します。

主に基礎や土台、柱、梁、壁、床など、建物の骨組みとなる部分に不具合がある場合が多く、欠陥住宅が出来上がる原因として、設計や施工ミスがあったり、手抜き工事がされていたことが考えられます。

新しく建てた家や購入した建物に欠陥が見つかった場合、契約との不適合があったときに売主が責任を負担する「契約不適合責任」を追及できます。

この契約不適合責任には建物の補修費用の支払いや、売買代金の減額、損害賠償金の支払い、売買契約解除が含まれます。

 

建物にどのような症状があると欠陥住宅になる?

建物に下記のような症状が見られた場合、欠陥住宅とみなされます。

  • 壁に大きなヒビが入っている
  • 屋根から雨漏りをしている
  • 床が傾いている
  • 耐震性に問題がある
  • 電気設備に不具合がある

壁に亀裂が入っている場合、大きな地震が起きたときに建物が崩れてしまう恐れがあり、大変危険です。

また、雨漏りを放置してしまうと家を支えている木材が腐食してしまい、耐震性が劣るので、なるべく早く改修を依頼しましょう。

床が傾いていると平衡感覚が狂い、めまいや頭痛といった健康問題が生じる場合もあるため、早めに改修を済ませておくことをおすすめします。

 

欠陥住宅だと気付いたときの4つの対処法

次に、新しく建てた家や購入した建物が欠陥住宅だとわかったときの対処法について解説します。

建物の欠陥を見つけたときは、まずは売主に相談しましょう。

その他、売主にきちんと対応してもらえなかった場合の対処法もお伝えします。

 

1.売主に相談する

新しく建てた家や購入した建物に欠陥が見つかった場合は、まずは不動産会社や施工業者、元の建物の所有者に相談をしましょう

家の状態を確認してもらい、重大な欠陥だった場合は修繕工事を施工業者に依頼し、売主に修繕費用を請求します。

新築住宅の場合は「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」により、構造上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分に、10年間の無償補修や損害賠償が義務付けられているため、補修費用の請求に応じてもらえる可能性が高いです。

ただ、売主が個人である中古住宅の場合は、売主が建物に欠陥があったときの責任を負う「瑕疵(かし)担保期間」が2~6ヶ月とされているケースが多く、保証期間が過ぎてしまうと修繕費の支払いに応じてもらえない恐れがあります。

 

2.弁護士に相談する

売主に責任を取ることを拒否したり、修繕費用の負担について揉めた場合は、弁護士に相談をする方法もあります。

弁護士に売主との交渉を依頼すれば、売主との間に入って交渉を進めてもらえるので、一度相談してみてください。

売主との交渉は、まず施工業者や不動産会社と和解交渉をするために、内容証明郵便で通知をし、補償金額などの条件を提示し交渉をします。

それでもお互いに和解できなかった場合は裁判となりますが、建築訴訟件数のおよそ3分の1は和解で終結しているので、すべての裁判が長期化するわけではありません。

 

3.住宅紛争審査会に相談する

売主とトラブルになった場合は、公的機関に相談することをおすすめします。

住宅紛争審査会では、建設住宅性能評価書が交付された住宅や、住宅瑕疵担保責任保険に加入している住宅に対し、工事の請負契約または売買契約に関するトラブルに対応してくれます。

住宅紛争問題を専門とする弁護士や建築士が対応するので、公正な判断を下してもらえ、第三者が介入することで売主との交渉がしやすくなるでしょう。

ただし、建物の性能を評価する住宅性能表示制度を利用しておらず、建物に欠陥があった場合に保証を受けられる瑕疵担保責任保険にも加入していない場合は対象外となります。

 

4.住宅瑕疵担保責任保険を利用する

住宅瑕疵担保責任保険に加入している場合は、保険金の請求をしてみましょう。

住宅瑕疵担保責任保険とは、建物の構造上主要な部分や、雨水の侵入を防止する部分に欠陥が見つかった場合に補償を受けられる保険のことです。

新築住宅の場合、売主が住宅瑕疵担保責任保険の加入が義務付けられていますが、中古住宅の場合は任意のため、中古物件を購入する際は保険の有無もチェックしておきましょう。

 

欠陥住宅かどうか調べるための4つの方法

続いて、新しく建てた家や購入した建物が、欠陥住宅かどうか調べる方法について解説します。

住み始める前に欠陥を見つけた場合、売主に修繕費用を支払いに応じてもらいやすくなるので、入居前にしっかりチェックしておきましょう。

 

1.床の傾き具合を調べる

1つ目が、床が傾いているかどうか調べることです。

ビー玉など丸い物を床に置き、転がらないか調べてみましょう。

床が傾いている場合、建物の基礎や柱、床自体の施工に問題がある恐れがあります。

また、床が水平でないと住み続ける間に体調不良に見舞われるケースもあるので、あらかじめチェックしておきましょう。

 

2.天井や壁にシミやヒビがないかチェックする

2つ目が、天井や壁にシミやヒビがないか調べることです。

天井にシミがある場合は雨漏りをしている可能性があり、放っておくと建物を支えている木材が腐食してしまう恐れがあります。

また、大きなヒビが入っている場合、震災に遭ったときに建物が大きなダメージを受ける危険性があります。

入居前の見学時に隈なくチェックし、気になる点は不動産会社や施工業者に相談しましょう。

 

3.窓やドアの開閉具合を確認する

3つ目が、サッシやドアの締まり具合を確認することです。

窓やドアを開け閉めしてみて、ガタついたり上手く動かせない場合は、建物が傾いている可能性があります。

建物が傾いていると耐震性にも問題があるので、早急に施工業者に相談しましょう。

 

4.ホームインスペクションを依頼する

4つ目が、ホームインスペクション(住宅診断)を依頼することです。

住宅の欠陥は一般の人が見つけるのは難しいので、建物が建築基準を満たしているか調べるホームインスペクションを受けておくことをおすすめします。

建築事務所にホームインスペクションを依頼すれば、建築のプロであり、ホームインスペクションを実施する資格を持った建築士が検査をしますので、建物に欠陥がないかしっかり調べたいという方はぜひ検討してみてください。

イクスプランでは、中古住宅が建物の安全基準を満たしているか検査する資格である「既存住宅状況調査技術者資格」を持つ建築士が検査をしますので、中古住宅の場合を購入する場合はぜひご依頼ください。

 

欠陥住宅をつかまないための5つのポイント

最後に、欠陥住宅をつかまないために注意するポイントについて解説します。

入居前にしっかりと建物の状態をチェックしておき、建物に欠陥があったときに備えて保険に加入しておくなど対策をしておきましょう。

それではそれぞれお伝えします。

 

1.内覧の際に建物の状態をチェックする

1つ目が、建物の完成後や見学の際に、建物の状態を隅々まで確認することです。

建物の売買契約前に欠陥が見つかれば、補修費用を売主に負担してもらえる可能性が高いので、内覧や見学をするときにしっかりチェックしておきましょう。

建物のヒビやシミ、欠けているところなどを見つけた場合は、問題がある箇所を写真に残し、証拠として取っておいてください。

 

2.信頼できる不動産会社・施工会社を選ぶ

2つ目が、信頼できる不動産会社や施工会社を選ぶことです。

建物について不安に感じた点を質問してもはぐらかされてしまう、とにかく押し売りをしてくるといった不動産会社は要注意です。

こうした不動産会社は契約後の対応が悪く、建物に欠陥が見つかってもきちんと取り合ってもらえない場合があります。

また、施工業者の中には、工事を下請け業者に丸投げしているところも存在します。

下請け業者はできるだけ利益を上げようと、手抜き工事をして工期を短縮しているところもあり、ずさんな工事をした結果、建物に欠陥が生じてしまうリスクが高まります。

そのため、建物のマイナス面もしっかり説明してくれる不動産会社であるか、最後まで責任を持って施工をしてくれる施工業者かをチェックしておきましょう。

 

3.ホームインスペクションを受けておく

3つ目が、ホームインスペクションを依頼しておくことです。

自分だけでは判断が難しく、建物に欠陥がないかどうか不安だという方は、ホームインスペクションを受けておくことをおすすめします。

建築のプロであれば屋根や床下などの隠れたところの欠陥も見つけられ、建物の安全性をきちんと確認できます。

ホームインスペクションを受けるタイミングとしては、建物の売買契約前が良いでしょう。

契約前であれば、万が一建物に欠陥が見つかった場合に売主が修繕費用を負担してくれる可能性が高いので、早めに検査を済ませておきましょう。

 

4.住宅性能表示制度を使う

4つ目が、住宅性能表示制度を利用することです。

住宅性能表示制度とは、住宅品質促進法に基づいた制度で、設計段階で図面をもとに評価する「設計性能評価」と、建築中や住宅完成後に検査し評価する「建設性能評価」があります。

設計の段階からチェックをする設計性能評価を受けると、基礎部分や壁の内側など目に見えない部分も評価してもらえ、建物の性能が数字で表されるので状態を把握しやすいのもメリットです。

 

5.住宅瑕疵担保責任保険に加入しているかを確認する

住宅瑕疵担保保険は、「住宅瑕疵担保履行法」により、売主または建設業者が住宅売買の際に加入する、あるいは加入しないのであれば供託(倒産したときのために保証金を法務局などに預けておくこと)をすることが義務となっています。

そのため、売主が住宅瑕疵担保保険に加入されているかを確認しておくとよいでしょう。

住宅瑕疵担保責任保険に加入しておけば、建物に欠陥があった場合に補修費用を保険金でまかなえるので、売主が加入していない場合は相談してみてください。

なお、住宅瑕疵担保責任保険に加入するにはホームインスペクションを受け、保険の条件を満たしているか検査をして合格する必要があるため、保険に加入する際は検査の担当者に伝えておきましょう。

 

欠陥住宅かどうか調べるためにホームインスペクションを依頼しよう

今回は、新しく建てた住宅や、購入した建物が欠陥住宅だと気付いたときの対処法についてお伝えしました。

建物に重大な欠陥があると、大規模な災害に見舞われたときに被害が大きくなる恐れがあります。

特に築年数が経った中古住宅の中には劣化が進んでいる物件もあるので、あらかじめホームインスペクションを依頼しておくことをおすすめします。

イクスプランでは、中古住宅の安全性を検査する資格である「既存住宅状況調査技術者資格」を持つ建築士が検査をします。

経験と実績が豊富な建築士が責任を持って検査をしますので、中古住宅のホームインスペクションを依頼する際はぜひお問い合わせください。

 

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中嶋栄二 写真

記事監修:中嶋栄二
EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所代表。建築士でありながら住宅診断を行うなど、家にまつわる幅広いお悩みやご相談などに対応。年間100件以上の実績で皆様の住宅に関するお悩みを解決します。【資格等】一級建築士・耐震診断アドバイザー・住宅メンテナンス診断士・建物危険度判定士フラット35適合証明技術者など