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この記事では、住宅購入時に気をつけるべきことについてご紹介します。
一生に一度の大きな買い物であるマイホームの購入。
生涯住み続けるものだから絶対に後悔したくない、家を決めるときは慎重に選びたいという方も多いはず。
しかし、「どこをチェックすればいいのかわからない」「住み始めてからがっかりしないしないためには何に気をつければよいのだろう」と悩んでしまいますよね。
そこで今回は
- 住宅購入時に気をつける6つのこと
- 住宅購入後に後悔しやすい5つのポイントについて
などについてお伝えします。
家選びで後悔したくない、納得した上でマイホームを購入したいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
住宅購入時に気をつける6つのこと
始めに、住宅を購入する際に注意することについて解説します。
住宅を購入する際は、建物をよくチェックし、契約書にもしっかり目を通しておきましょう。
また、生活をしながらローンの返済をしていけるのかよく考えた上で契約をしましょう。
1.内覧や完成したときに建物をチェックしておく
1つ目が、内覧会や建物が完成したときの立会いの際に、建物に施工不備がないかをしっかり確認しておくことです。
窓やドアの建て付けや、壁紙がはがれていないか、床が傾いていないか、傷が付いていないか、水漏れをしていないかなどをチェックし、気になった点は不動産会社や施工業者に修繕を依頼しましょう。
窓やドアを開け閉めしてみる、蛇口をひねって水がきちんと出るかどうか確かめるなど、実際に動かしてみて正常に機能しているかどうか確認してみてください。
入居前に修繕を依頼しておいた方が売主との交渉がスムーズに進みやすいので、見学時に細かく調べておくことをおすすめします。
2.引き渡し前にホームインスペクションを受けておく
2つ目が、建物の引き渡し前にホームインスペクション(住宅診断)を依頼しておくことです。
建物の安全性や快適に過ごせるかどうかを確認するには、目に見える部分だけではなく、柱や梁の耐震性に問題がないか、壁の断熱性は十分かなど、建物の構造部分もチェックする必要があります。
ホームインスペクションを受けておけば、建物が建築基準を満たしているかどうか検査でき、問題がなければ安心して住め、欠陥が見つかった場合はきちんと修繕をすることで不安なく過ごせます。
なお、建物の引き渡し後に欠陥が見つかった場合、売主が修繕費用の支払いに応じてくれないケースもあるので、引き渡し前に検査を済ませておくことをおすすめします。
3.契約時の書類の内容をしっかり確認する
3つ目が、売買契約時に渡される書類にきちんと目を通しておくことです。
建物の売買契約時には、重要事項説明書と売買契約書に署名・捺印をします。
重要事項説明書は主に下記の項目をチェックしておきましょう。
- 請負代金の総額
- 税額
- 支払い金額
- 引き渡し時期
- 不測の事態で契約を解除する場合、いつまでにいくらの損害賠償で契約解除が可能か
- (マンションの場合)管理費や修繕積立金はいくらか
また、売買契約書に記載されている内容が、契約時と相違がないかも確認しておきます。
書類の内容がよくわからないという場合は、コピーを取っておいて建築事務所や弁護士事務所に相談をすることをおすすめします。
4.住宅ローンの返済計画を立てる
4つ目が、無理のない範囲で住宅ローンの返済計画を立てることです。
住宅ローンを組む際は月々の返済額をよく検討し、返済が可能かどうか慎重に判断しましょう。
不動産会社の担当者に「月々のローンの返済額は今支払われている家賃と変わりませんし、持ち家は資産になりますよ」と言われ、高額な物件の購入を決めてしまう方もいます。
しかし、夫婦で共働きをしていたけれどどちらかが働けなくなってしまった、再就職をしたら給料が大幅に下がってしまったなど、急に収入が目減りしてしまった場合、ローンの返済が厳しくなってしまいます。
そのため万が一の事態も考慮し、最後まで返済ができるのか余裕を持って計画をしましょう。
5.住宅の機能性を重視する
5つ目が、建物の見た目やデザイン性だけでなく、機能性も考慮することです。
「開放感を感じられるように天井を吹き抜けにしたら、暖房をつけても部屋が温まりにくくなってしまった」、「窓を大きくしたら夏は日差しが強く、冬は隙間風が入ってくる」など、見た目にこだわりすぎると心地良く過ごせないケースもあります。
なお、断熱性が低いとその分暖房を使うようになり、光熱費が家計を圧迫するので、建物の機能性は重視すべきポイントです。
6.生活環境を把握しておく
6つ目が、生活環境を調べておくことです。
土地が安いからと購入を決めてしまったけれど、交通の便が悪く通勤や通学に時間がかかる、幹線道路がすぐそばにあり騒音がひどい、大雨が来たときに床上浸水のリスクが高いなど、生活していく上で不便なケースもあります。
こうした失敗を防ぐために、近隣の情報を収集しておく、ハザードマップを見て災害の被害を受けやすいかどうかを確認しておきましょう。
新築住宅を購入するメリット・デメリット
次に、新築住宅を購入するメリットとデメリットについて解説します。
完成したばかりの建物に住めますが、中古住宅よりも多くの費用がかかるので、予算内に収まるかどうかよく検討しましょう。
メリット
自分の希望通りの家に住める
注文住宅であれば、家族構成に合わせて間取りを決めたり、自分好みのキッチンを設置したりと、自分の意見を反映しやすくなります。
建売住宅や中古住宅の場合はすでに建物がある状態なので、部屋が少し狭かったり、キッチンの動線が悪く使いづらかったりする場合があります。
ただ、こだわり過ぎてしまうと予算がどんどん高くなってしまうので、優先したいところを決め、省けるところはカットしていきましょう。
しばらく修繕をする必要がない
新築住宅であれば建物が建てられたばかりなので、きちんと施工をしてもらえれば少なくとも10年以上は修繕しなくて済むでしょう。
家のリフォームには多額の費用がかかることが多いので、長期間修繕をせずに住み続けられるのは安心できるポイントです。
デメリット
多額の費用がかかる
一方、新築住宅を購入するデメリットは、中古住宅を購入するよりも多額の費用がかかることです。
新築住宅は自分の希望通りに設計できたり、真新しい建物に住めたりするメリットはありますが、その分中古住宅よりもコストがかかります。
中古住宅は築年数が経っており、以前の所有者が使っていたことから、新築住宅を購入するよりも低価格で手に入れられます。
新築住宅を購入する場合は月々のローンの負担額も大きくなるので、生活費を圧迫する大きな要因となります。
中古住宅を購入するメリット・デメリット
続いて、中古住宅を購入するメリットとデメリットについて解説します。
中古住宅は新築住宅よりも購入費用は抑えられますが、入居する前にリフォームが必要になる可能性が高いことも考慮しておきましょう。
メリット
新築住宅よりも割安な価格で購入できる
中古住宅は、新築住宅よりも安い金額で購入できるのが大きなメリットです。
新築住宅は希望通りに設計してもらえ、新しい建物に住めるというメリットはありますが、購入金額が高くなり、ローンの返済額も高くなってしまいます。
中古住宅は前の所有者から譲り受けるため、購入費用を抑えられ、ローンの返済額も新築住宅を購入するよりも安く済みます。
また、水回りのリフォームが済んだ状態で販売されている物件もあり、リフォームはされていなくても入居前にクリーニングされた状態で引き渡されるので、中古であっても気にならない方は快適に過ごせるでしょう。
建物を見てから購入を決められる
中古住宅であれば、すでに建物が建てられている状態で購入するかどうかを決められるので、入居した後のことをイメージしやすいのがポイントです。
新築住宅は建物を一から建て、設備などを後から搬入するため、入居後に生活動線が悪く住み心地が悪い、部屋を作り過ぎて使っていない部屋があるなど、後悔するケースもあります。
また、中古住宅を何件か見学し、自分の希望に近い物件を探し出すことができるのもメリットです。
デメリット
修繕やリフォームが必要な場合もある
一方、中古住宅の場合はリフォームが必要なケースがあります。
中古住宅の中には築年数が経っていて劣化が進んでいる場合や、施工ミスがあって元々欠陥がある物件も存在します。
重大な欠陥があると修繕費用が高額になるため、せっかく安く購入できてもリフォームにお金がかかってしまいます。
そのため、中古住宅を購入する際はあらかじめホームインスペクションを受け、リフォーム費用の見積もり作成を依頼しておくことをおすすめします。
住宅購入後に後悔しやすい5つのポイントについて
ここからは、住宅購入後に後悔しやすいポイントについて解説します。
住宅は簡単に買い替えられないものなので、契約をする前によく検討してから購入を決めましょう。
それではそれぞれのポイントについてお伝えします。
1.中古住宅のリフォーム費用
後悔しやすいポイント1つ目が、中古住宅を購入した際、想像よりもリフォーム費用がかかってしまったというケースです。
建物の修繕に多くのお金を使うことになったというのが、中古住宅の購入者が最も後悔するポイントです。
価格が安いからといって中古住宅を購入してしまうと、リフォーム費用がかさんでしまい、新築の建売住宅を買う場合とあまり変わらなかったという場合もあります。
中古住宅を購入する際は事前に見学をし、売主や施工業者に修繕費の見積もりを出してもらいましょう。
2.住宅ローンの返済
後悔しやすいポイント2つ目が、住宅ローンの返済が厳しくなるというケースです。
「月々の返済額はそんなに大きくないから問題ないだろう」「マンションの家賃と変わらないし大丈夫でしょう」と思って予算よりも高い住宅を契約するのは避けましょう。
住宅を購入すると、ローン以外にも戸建ての場合は固定資産税など、マンションの場合は管理費や修繕費がかかります。
また、子供がもう一人増えた、会社の経営状況が悪くボーナスがカットになったなど、ライフプランが変わったり経済状況が変わるケースもあります。
そのためローンの契約をするときは、ローンの支払いをしても不自由なく生活できるかをよく検討してみてください。
3.建物の間取り
後悔しやすいポイント3つ目が、建てた建物や購入した建物の間取りが悪いといったケースです。
一から設計をしてもらったけれど家族が増えて手狭になってしまった、見学をしたときは何とか生活できるだろうと思ったけれど、住んでみたら使い勝手が悪かったなど、建物の間取りが問題になる場合があります。
マイホームを購入する際は、家族が増えることを予想して子供部屋を確保しておく、あるいは子供が成長してから購入することをおすすめします。
また、ぱっと見た印象で決めてしまうのではなく、実際生活している所をイメージし、不便に感じる点がないかどうかもチェックしてみてください。
4.不動産会社・施工業者の選び方
後悔しやすいポイント4つ目が、不動産会社や施工業者の決め方を後悔するパターンです。
「不動産会社の担当者に設備の問題を指摘したけれど、きちんと対応してもらえなかった」「住宅の完成後に見学をしたら壁や床に傷が付いていて、雑な仕事ぶりにがっかりした」などと感じている方もいます。
また、大手のハウスメーカーで家を建てたら費用が高くなった、地元の工務店に住宅ローンなどの手続きについて相談すると、自分で調べてほしいと言われたといったケースもあります。
ハウスメーカーは下請け業者に施工を依頼しているところが多く、中間業者が入る分施工費が高い傾向にあり、工務店は金融的な知識が乏しい場合があるので、それぞれのメリット・デメリットを考慮して選んでみてください。
5.住宅の立地
後悔しやすいポイント5つ目が、住宅の土地選びで後悔しているケースです。
自宅から駅まで遠いため、買い物や通勤をするのに不便だったり、湿気が多くジメジメしていて、建物の劣化が進んでしまっているなど、家を建てた土地の選び方を失敗したと悔やむ方もいらっしゃいます。
持ち家は簡単に引っ越しができないので、建物だけでなく土地選びも慎重に行いましょう。
なお、立地は将来マイホームを売却する際の価格を大きく左右するので、その点も含めて判断してみてください。
住宅を購入するまでの主な流れ
最後に住宅を購入するまでの主な流れについて解説します。
住宅を購入するときの一連の流れを知っておき、どのように進めていくのか把握することで住宅の購入時に後悔せずに済むため、ぜひ参考にしてみてください。
1.住宅購入にかかる費用を計算し計画する
まずは住宅の購入時にかかる費用を洗い出しておきましょう。
住宅購入にかかる費用を書き出すときは、下記の項目を記入しておいてください。
- 建物の購入費やリフォーム費用
- 土地の購入代
- 固定資産税や建物の登記にかかる費用
- 住宅ローンの頭金
- 家具や家電の購入費など
こうして建物と土地にいくらお金を出せるか、月々の住宅ローンの返済額がいくらまでなら払えるかを計画していきます。
2.物件を探す
住宅購入にかかる費用を計算して予算を決めたら、物件や土地を探します。
インターネットや広告などを見て、土地や住宅の相場などある程度情報を集めておき、不動産会社に相談に行きましょう。
不動産会社は何社かを比較し、悪い点も包み隠さず伝えてくれるような信頼できる会社を選ぶとよいでしょう。
3.建物の内覧・見学をする
気になる物件や土地を見つけたら、不動産会社の担当者に連絡して内覧や見学に行きます。
実際に現場を見て、建物の状態や周辺環境を確認しておくことは重要なので、疑問に思った点は担当者に質問していきましょう。
完成した建物を見学に行く際はメジャーを持って行ってキッチンの高さや幅、収納スペースなどを測っておき、自分たちに合うかどうか調べておきます。
また、周辺のスーパーや夜間の様子、交通量なども合わせてチェックしてみてください。
4.ホームインスペクションを受ける
建売住宅や中古住宅は入居する物件が決まった後、注文住宅は建設途中や完成後にホームインスペクションを受けておくことをおすすめします。
第三者機関が実施するホームインスペクションを受けておけば、入居前に建物の欠陥があった場合に早期に発見でき、問題がなかった場合も安心して住むことができます。
なおホームインスペクションは、売主に修繕費用を負担してもらえる可能性が高い売買契約前に済ませておきましょう。
イクスプランでは中古住宅のホームインスペクションを扱っており、「既存住宅状況調査技術者資格」を持つ建築士が検査を行います。
建物が建築基準を満たしているかしっかり検査をしますので、中古住宅を購入予定の方はぜひお問い合わせください。
5.売買契約を結ぶ
ホームインスペクションが済み、建物の安全性が確認できたら売買契約を結びます。
売買契約時に重要事項説明書と売買契約書を渡されるので、1つ1つの項目を入念にチェックしましょう。
金額に誤りがないか、担当者から受けた説明と異なる点はないかを調べておき、疑問に思った点は質問し、きちんと納得した上で契約を交わすとよいでしょう。
売買契約をするときに手付金も支払うため、あらかじめ準備しておいてください。
6.住宅ローンを契約する
売買契約を結んだら住宅ローンの契約をします。
銀行などによって金利や融資の条件などが異なるので、複数の金融機関を比較することをおすすめします。
また、固定金利型のフラット35の利用も検討してみてください。
関連記事:フラット35に借り換えるメリット・デメリットとは|注意点も解説
金融機関で住宅ローンの申請をするには、所得証明書や住民票など自分で用意する書類のほか、不動産会社に用意してもらう書類もあるので、打合せのときに依頼しておきましょう。
7.建物の引き渡し・登記を行う
契約が済んだら、いよいよ建物が引き渡されます。
引き渡し時にも建物の状態を確認し、修繕をした場合は欠陥があった箇所がきちんと直っているかをチェックします。
問題がなかったら建物の登記を行い、手続きが完了したら引っ越しをして入居します。
売買契約前にホームインスペクションを受けておこう
今回は、住宅購入時に気をつけるべきことについてお伝えしました。
中古住宅を購入した多くの方は、建物の修繕費が思ったよりもかかってしまったと後悔されています。
こうした事態を防ぐために、あらかじめホームインスペクションを受けておくことをおすすめします。
イクスプランでは「既存住宅状況調査技術者資格」を持つ建築士が検査に当たり、屋根裏や床下の目で見えない部分に欠陥がないかも隈なく調査します。
中古住宅のホームインスペクションを依頼される際は、ぜひ実績豊富な弊社へご相談ください。
お問い合わせ・ご相談はこちら
- (株)EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所
- 住所:〒814-0121福岡県福岡市城南区神松寺3-14-20-1013
- Tel 092-862-8880
- 記事監修:中嶋栄二
- EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所代表。建築士でありながら住宅診断を行うなど、家にまつわる幅広いお悩みやご相談などに対応。年間100件以上の実績で皆様の住宅に関するお悩みを解決します。【資格等】一級建築士・耐震診断アドバイザー・住宅メンテナンス診断士・建物危険度判定士フラット35適合証明技術者など