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家の土台となり、建物を支える部分として重要な基礎工事。
自分が住む家の基礎工事の現場を見たときに、設計図通りに施工されていなかったり、鉄筋が曲がっていたりしたら、安全性に問題がないのか不安になりますよね。
また、雨が降り続いているのにビニールシートで囲われておらず、プールのように基礎に水が溜まっているのを見て、きちんとコンクリートが固まるのか心配になった方もいるでしょう。
そこで今回は
- 基礎の建設中に雨が降っても大丈夫なのか
- 家の基礎工事の5つのチェックポイント
- 家の基礎工事の流れ
などについてお伝えします。
自分たちが住む家の基礎工事がきちんと行われているか確かめたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
基礎の工事中に雨が降っても大丈夫?
はじめに、基礎の工事中に雨が降っても大丈夫なのかを解説します。
自分が住む家の基礎工事をしているときに、途中で雨が降ってきて水たまりができているのを見て、コンクリートに影響がないのか心配になる方もいるでしょう。
しかし、家の基礎工事中に雨が降ってきても基本的に問題はありません。
基礎コンクリートである生コンはドロドロになった状態で運ばれて来て、コンクリートと水が化学反応を起こし、ゆっくりと固まっていきます(これを水和反応と言います)。
そのため、打設(生コンを流し込む作業のこと)をした後に雨が降った場合、水和反応が起こりやすくなるため、コンクリートの強度を高めるチャンスになります。
ただ、生コンを流し込む打設中の雨には注意が必要です。
コンクリートの水分量はセメントの量と計算して調整しているため、打設中に雨が降ってしまうと水分量が変わってしまい、強度が弱くなってしまう恐れがあります。
小雨程度であれば問題ありませんが、大雨の場合は延期し、後日改めて工事をするのが一般的な方法です。
家の基礎工事について
次に、家の基礎工事について解説します。
家の基礎とは、建物の土台部分を指します。
基礎は家を支え、家の重さや地震の揺れを地盤の揺れをに伝える役割があります。
家の基礎の耐久性は地震などの災害が多い日本では特に重要であり、家の寿命を左右するものでもあります。
基礎工事は数種類あり、家が建つ土地の地盤の強度によって工法を変えます。
それでは、次の章で家の基礎工事の種類と特徴について解説します。
家の基礎工事の種類と特徴について
続いて、家の基礎工事の種類と特徴についてお伝えします。
家の基礎工事の種類は下記の通りです。
- ベタ基礎
- 布基礎
- SRC基礎
それぞれの特徴について解説します。
ベタ基礎
ベタ基礎とは、家の基礎全体にコンクリートを打設して鉄筋も入れて作るもので、日本の住宅に多く採用されています。
ベタ基礎のメリットとデメリットは下記の通りです。
■ベタ基礎のメリット
- 建物の重量を地面全体に分散させられる
- シロアリの侵入を防げる
- 地中からの湿気が遮られる
■ベタ基礎のデメリット
- コストが高い
- 家を建ててから1~2年は水分が出てしまう
ベタ基礎の特徴は、家の床全体を面で支えるため、地震の横揺れや建物の重みにより地面が一部だけ傾く不同沈下(ふどうちんか)に強いことです。
また、湿気やシロアリ対策にもなるため、家の耐久性を高める効果も期待できます。
ただ、コンクリートを多く使用する分コストがかかります。
なお、家を建ててから1~2年は水分が出やすいため、水抜き用の穴を開けるなどの対策も必要です。
布基礎
布基礎とは、家の壁や柱の下など、特に負荷がかかる部分に逆のT字型のような鉄筋コンクリートを埋め込むもので、昔から使われてきた方法です。
布基礎のメリットとデメリットは下記の通りです。
■布基礎のメリット
- コストを抑えられる
- 集中的な重さに強い
- 軽量なため地盤に負荷がかかりにくい
■布基礎のデメリット
- 地盤が弱い土地には不向き
- 湿気対策が必要
- 床下に空間ができないため、修繕や点検がしにくい
布基礎は部分的に配置するため、コンクリートの使用量が少なく、コストを抑えられるのが特徴です。
ただ家の重量や地震、風など集中的な負荷には強いものの、建物を点で支えるため、地盤が弱いところではバランスが取りにくくなります。
また、湿気がこもりやすいので、防湿性の高いシートやコンクリートでコーティングをする必要があります。
さらに、ベタ基礎のように立ち上がりという部分がなく、直接家の床下と接しているため、基礎の修繕や点検をするのが難しいといったデメリットもあります。
SRC基礎
SRC基礎とは、内側にH型鋼材を組み込み、外側に立ち上がり基礎を並べるもので、逆ベタ基礎または蓄熱床工法とも言います。
床下に砂利とコンクリートを敷き詰め、基礎と地盤を一体化させるのが特徴です。
SRC基礎のメリットとデメリットは下記の通りです。
■SRC基礎のメリット
- 耐震性が高い
- 家を冬場は暖かく、夏場は涼しく保てる
- 湿気が入り込みにくい
- シロアリを防げる
- 床下浸水を予防できる
■SRC基礎のデメリット
ベタ基礎よりも工期が長くなる
SRC基礎の場合は基礎と地盤が一体化するため、地震の揺れを分散させられ、耐震性を高められます。
また、家が傾く不同沈下を予防でき、湿気やシロアリ対策としても有効です。
なお、SRC基礎は熱を蓄える蓄熱性が高いため、家の中が冬は暖かく夏は涼しく過ごせ、光熱費の削減にもつながります。
ただ、コンクリートを打設する回数がベタ基礎より1回多いため、工期が長くなります。
家の基礎工事の5つのチェックポイント
次に、家の基礎工事のチェックポイントについて解説します。
家の基礎工事のチェックポイントは下記の通りです。
- 現地に行って担当者と見学をする
- 設計図通りに工事が進んでいるかチェックする
- 配筋が適切に行われているか確認する
- かぶり厚さを確認する
- アンカーボルトがきちんと設置されているか確かめる
それではそれぞれ詳しくお伝えします。
1.現地に行って担当者と見学をする
1つ目が、建築途中に実際に現地に行って、建設会社の担当者と見学することです。
住宅の基礎工事では専門用語がたくさんあり、作業を見ているだけではわからない部分もあるため、担当者から説明を受けながら見学をするとよいでしょう。
基礎工事の現場は穴が掘られていたり、金属製の部材が置いてあったりして危険なため、指示通りに見学するようにします。
気になった点は担当者に確認し、不安を解消できるようにしましょう。
2.設計図通りに工事が進んでいるかチェックする
2つ目が、設計図通りに工事が行われているか確かめることです。
基礎工事の見学時には、設計書をもとに下記の点をチェックしましょう。
- 基礎の高さや幅、深さが合っているか
- 鉄筋の本数が適切か
また、基礎の高さや幅、深さは建築基準法で下記の通り定められています。
- 外側の高さ・・・30cm以上
- 立ち上がり”部分の高さは、地上部分で30㎝以上、厚さは12㎝以上
- 基礎の底盤の厚さは12㎝以上
- 幅・・・12cm以上
- 深さ・・・24cm以上
基本的には基準‘’以上‘’となります。表記されている数値より小さい場合は強度が足りない可能性があります。
基礎の高さや幅が設計書とずれていると、建物の壁の位置までずれてしまい、部屋の大きさまで変わってしまうため、きちんと確認をしておきましょう。
鉄筋は家の基礎でも特に重要な部材なので、図面と同じ本数が取り付けられているかチェックしておきます。
3.配筋が適切に行われているか確認する
3つ目が、鉄筋を基礎に配置する配筋が適切に行われているか確認することです。
配筋をチェックするときは、下記の点を見ておきましょう。
- 鉄筋と型枠との間に4cm以上の間隔が空いているか
- 鉄筋と地盤との間に6cm以上の間隔が空いているか
- 隣の鉄筋との間は30cm以内になっているか
鉄筋の間隔は建築基準法で決められており、30cm以上間隔が空いてしまうと基礎の強度が弱くなるため、1つ1つ計測して確認しましょう。
4.アンカーボルトがきちんと設置されているか確かめる
4つ目が、アンカーボルトがきちんと設置されているか確かめることです。
まずは基礎の外側に枠を組み、コンクリートを打設して乾かします。
それから基礎の立ち上がり部分に型枠を組み、基礎と土台をつなげるアンカーボルトを設置してから、再度コンクリートを打設します。
アンカーボルトが設置されたら、下記の点をチェックしましょう。
- アンカーボルトがコンクリートの中央に設置されているか
- アンカーボルト同士の間隔は2.7m以内であるか
アンカーボルトは建物の耐震性を左右する重要なものなので、設計図通りに配置されているかしっかり確認をします。
5.かぶり厚さを確認する
5つ目が、コンクリートが固まって型枠を外したら、鉄筋がコンクリートにどのくらい覆われているか、かぶり厚さを確認することです。
かぶり厚さは、コンクリートの表面から鉄筋の表面までの距離のことで、厚みが足りないと基礎がひび割れしやすく、鉄筋が錆びやすくなってしまいます。
立ち上がりのかぶり厚は4cm以上、底盤のかぶり厚は6cm以上必要ですが、それぞれの建物によっても異なるため、設計図を見て確認するようにしましょう。
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家の基礎工事の流れ
最後に、家の基礎工事の流れをお伝えします。
家の基礎工事の主な流れは下記の通りです。
- 地盤調査を行う
- 地縄張り・遣り方工事をする
- 掘削工事をする
- 砕石を敷く
- 防水シートを敷く
- 捨てコンを流す
- 配筋をする
- 型枠を組む
- コンクリートを打設する
- 養生する
- 型枠を外す
- 仕上げ作業
はじめに家を建てる土地の地盤調査を行い、地盤が弱い場合は改良工事を行ってから基礎工事をします。
地盤調査が終わったら、土地の外周に縄やロープなどで印をつける地縄張りをし、建物の位置や基礎の高さなどを木の杭などで目印をつける遣(や)り方をします。
掘削(くっさく)は根切りとも呼ばれ、重機を使って地盤まで土を掘り起こし、そこに砕石を敷き、圧力をかけてしっかり固めます。
次に地面からの湿気を防ぐ効果のある防湿シートを敷き、表面を平らにするために捨てコンと呼ばれるコンクリートを流し入れます。
それから配筋をし、基礎の外側に型枠を組み、生コンを打設します。
外側のコンクリートが乾いたら同じように内側に型枠を組み、アンカーボルトを設置してから生コンを打設します。
コンクリートを打設したら乾燥しないようビニールシートで養生(ようじょう)をし、3日~5日置いておきます。
コンクリートが十分に固まったら型枠を外して、不要なコンクリートを取り除き、必要があれば勝手口や土間、給油置き場などにコンクリートを打設したら完成です。
家の基礎工事がきちんと行われているか不安なときはプロに検査を依頼しよう
ここまで家の基礎工事について解説しましたが、「自分たちできちんとチェックできるか不安」「確認する項目が多くて大変そう」と感じた方も多いでしょう。
そのような方は、建築事務所の住宅検査を受けることをおすすめします。
全国各地にある建築事務所では、建築中の新築の検査を行っているところがあります。
建築のプロである建築士が検査を行い、設計図通りに基礎が作られているかをチェックします。
また、修正すべき箇所があれば施工会社に指摘してもらえるため、安全性を確保できます。
イクスプランでも新築の建築過程を検査するあんしん工程検査を承っておりますので、ぜひお問い合わせください。
家を建てるときはイクスプランのあんしん工程検査がオススメ
今回は、家の基礎工事についてお伝えしました。
イクスプランでは、新築の建築工程を検査するあんしん工程検査を行っています。
当社のあんしん工程検査では、数回に分けて基礎の検査を実施します。
ベース部分の基礎底盤配筋では、鉄筋の本数や間隔が設計図書通りか、鉄筋のかぶり厚が適切かチェックします。
次に立ち上がり部分を検査し、枠がきちんと固定されているか、高さが適切か、生コンクリートの納品書を見て強度やセメント比を調べます。
完成検査では、打設不良やひび割れがないか、土台が水平に取り付けられているか、配管の状態などを確かめます。
このように家の土台となる基礎を、徹底的に検査いたします。
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検査実績が豊富な建築士が検査を担当しますので、家の基礎工事をしっかり点検してもらいたい方は、ぜひ当社へご相談ください。
お問い合わせ・ご相談はこちら
- (株)EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所
- 住所:〒814-0121福岡県福岡市城南区神松寺3-14-20-1013
- Tel 092-862-8880
- 記事監修:中嶋栄二
- EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所代表。建築士でありながら住宅診断を行うなど、家にまつわる幅広いお悩みやご相談などに対応。年間100件以上の実績で皆様の住宅に関するお悩みを解決します。【資格等】一級建築士・耐震診断アドバイザー・住宅メンテナンス診断士・建物危険度判定士フラット35適合証明技術者など