お役立ち情報

住宅診断

竣工検査のチェックリストを公開!持ち物のポイントも解説

建築工事が完了し建物を引き渡す前に、施工会社と買主である施主(せしゅ)が立ち会う竣工(しゅんこう)検査

設計図通りに建てられているか、建物に不具合がないか、設備は正常に動いているかをチェックする重要な検査です。

しかし、「建築のことは詳しくないから、どこを確認すればいいのかわからない」「確認漏れがないか不安」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は

  • 屋外・屋内の竣工検査チェックリスト
  • 竣工検査当日の持ち物のポイント
  • 竣工検査時の注意点

などについてお伝えします。

マイホームに欠陥がないかどうかきちんと調べておきたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

竣工検査・完了検査とは

検査を行うイクスプラン代表中嶋
はじめに、竣工検査について簡単に解説します。

竣工検査とは、建物が完成した後に施工会社や工務店の工事監督者と施主が立ち会い、家の検査を行うことです。

建物が設計図通りの仕様になっているか、施工ミスはないか、機器が問題なく動いているかを調べます。

建設が完了した後に行われる検査に、完了検査もあります。

完了検査では、主に建築基準に則って建物が建てられているかを確認します。

 

関連記事

 

屋外・屋内の竣工検査チェックリスト

イクスプランが外壁の調査を行っている写真
それでは、竣工検査時に建物の状態を確認するためのチェックリストをご紹介します。

屋外・屋内に分けた竣工検査チェックリストは次の通りです。

 

屋外部分

  • 外壁
  • 基礎
  • 屋根
  • 雨樋
  • 排水口
  • バルコニー
  • 玄関ポーチ

竣工検査に立ち会う際は、まず屋外から確認していきましょう。

外壁や基礎部分にひび割れがないか、屋根材の塗りムラがないか、雨樋が破損していないか、排水口がつまっていないかなどをチェックします。

また、バルコニーの床が沈んでいないか、壁にひびが入っていないか、物干し金具はきちんと取り付けられているかも確認しておきましょう。

さらに、玄関ポーチはきれいに仕上げられているか、照明が点灯するか確かめておくと良いです。

 

室内部分

  • 天井・天井裏
  • 窓・サッシ
  • 収納
  • 設備

屋外をひと通り見て回ったら、今度は屋内部分を確認しましょう。

床に傷や凹みがないか、ジャンプしたときに軋まないか、壁にひびが入っていないか、壁材にシワが入っていないかをチェックしてみてください。

また天井の仕上げ材がめくれていないか、雨漏りを起こした跡がないかを調べましょう。

脚立に上って点検口から天井裏をのぞき、ひび割れしていたりはがれたりしている箇所がないかも確認します。

さらに、扉を開閉するときに異音がしないか、窓はスムーズに開け閉めできるか、鍵はしっかりかかるかを確かめておきます。

収納の扉は問題なく開閉できるか、棚がずれていないかを調べたら、最後に設備の動作確認をしましょう。

水が流れるか、排水管から水漏れをしていないか、換気設備は動いているか、インターホンが作動しているかなど、実際に操作して1つ1つ試してみてください。

 

竣工検査当日の持ち物のポイントについて

検査のチェックリストイメージ

次に、竣工検査当日に持参しておいた方が良いものをご紹介します。

竣工検査時に必要な持ち物は次の通りです。

  • 竣工検査のチェックリスト
  • スリッパ
  • 筆記用具
  • 図面
  • メジャー
  • 水平器
  • 付箋
  • マスキングテープ
  • カメラ
  • 懐中電灯

まずは確認漏れを防ぐために、先ほどお伝えしたチェックリストを用意しておいてください。

室内に入って確認をするため、スリッパも持参しましょう。

チェックリストを元に確認作業を行い、気になった点をメモできるよう、筆記用具を持参しておくと良いです。

図面を見ながら家の中を見ていき、設計図通りに施工が行われているかメジャーで寸法を測り、水平器で角度を確認しておきましょう。

気になった点は付箋やマスキングテープで印をし、カメラやスマホで写真を撮っておきます。

屋根裏などの暗い場所を照らせるよう、懐中電灯も持参すると便利です。

 

施工後の竣工検査が重要な理由

竣工検査のイメージ
続いて、施工後の竣工検査が重要な理由について解説します。

建物が引き渡される前に行われる竣工検査が重要と言われる理由は次の通りです。

  • 工事直後であれば修繕対応をしてもらいやすい
  • 住み始める前に建物の不具合に気付ける
  • 瑕疵の責任を売主に追及できる

それではそれぞれ解説します。

 

工事直後であれば修繕対応をしてもらいやすいから

新築イメージ
竣工検査は工事が完了した直後に実施するため、万が一不具合が見つかったときにすぐに修繕をしてもらいやすい
のがメリットです。

入居後に建物の欠陥に気付いた場合、後から修繕工事を依頼することになるため、工事を手配するまでに時間がかかってしまいます。

しかし、竣工検査のときに気付けばその場で担当者に修繕を依頼でき、施工会社側も工事の段取りをしやすくなります。

家の工事をするには職人の手配や日程調整が大変なため、事前にチェックをし、早めに修繕を依頼しましょう。

 

住み始める前に建物の不具合に気付けるから

住宅のトラブルイメージ
竣工検査のときに建物の欠陥に気付けば、修繕をしてもらってから安心して新しい家に住むことができます

実際に住み始めてから欠陥に気付いた場合、不具合のある部分を気にしながら生活しなければいけません。

特に大きなひび割れなど重大な欠陥があると、修繕をする前に地震や台風などの災害が起き、建物がダメージを受けないか不安な気持ちのまま過ごすことになります。

こうしたことがないよう建物の完成時にしっかりチェックをし、問題があった場合は直してもらっておくと安心です。

 

瑕疵の責任を売主に追及できるから


建物の欠陥である瑕疵(かし)の責任を売主に追及できる期間は限られている
ため、早めに欠陥に気付いておくことが重要です。

新築住宅で雨漏りや大きなひび割れなど重大な欠陥が見つかった場合、「住宅品質確保促進法(品確法)」により、引き渡しから10年間は売主に契約解除の申し立てや損害賠償の請求、修繕費の請求が可能です

しかし、この期間を過ぎてから建物の瑕疵が見つかった場合は、売買契約の解除ができず、修繕費用を自己負担しなければならない可能性が高くなります。

家の修繕には数百万円かかるケースもあるため、竣工検査のときに確認し、施工不良があった場合は早い段階で売主側に修繕してもらうようにしましょう

関連記事

 

竣工検査を行うタイミングについて

住宅診断を行うイクスプラン代表中嶋栄二
ここでは、竣工検査を実施するタイミングについて解説します。

竣工検査は建物の引き渡し日の2週間前がおすすめです。

検査時に不具合が見つかった場合、修繕するのに日数が必要なため、天候の悪化も考慮して2週間ほど前に行っておくと良いでしょう。

さまざまな事情で日程調整ができないときは、遅くても1週間目には検査を終えておくと安心です。

 

竣工検査の当日の流れ

住宅診断イメージ
それでは、竣工検査はどのような流れで行われるのか見ていきましょう。

竣工検査の当日の流れは次の通りです。

  • 建物や設備の説明を受ける
  • 建物の状態を確認する
  • 設計図通りに建てられているかをチェックする

まずは施工会社の工事責任者や担当者から、建物の仕様や設備についての説明を受けます。

説明が終わったら、建物の外部と内部に不具合がないかを調べます。

次に、設計図に書かれている通りに工事がすすめられているかを確認します。

異常が見つかったら一緒に立ち会っている施工会社の担当者に伝え、修繕を依頼しておきましょう。

ひと通り建物を見終えたら、担当者と修繕が必要な箇所などを再度確認し合い、漏れがないか共有します。

竣工検査にかかる時間は家の広さや施工状況によって異なりますが、おおよそ2~3時間を見越しておきましょう。

 

竣工検査時の注意点について

立ち会いイメージ
最後に、竣工検査に立ち会う際に気を付けるべきポイントについて解説します。

竣工検査時の注意点は次の通りです。

  • 気になった点は担当者に質問をする
  • 複数人で立ち会いをする
  • 欠陥があった箇所は写真を撮って残しておく

 

それぞれ詳しくお伝えします。

 

気になった点は担当者に質問をする

竣工検査で気になることがあったときは、躊躇せず施工会社の担当者に質問をしておきましょう

見学中にひび割れや欠損している部分を見つけても、「指摘をしたら気を悪くされるかも」「こんなこと気にするような程度じゃないな」と気を遣って、なかなか言い出せない方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、人が作業をしているため人的ミスが起こる場合もあり、プロであっても見落とすこともあります。

竣工検査は施工会社の担当者も同行するため、直接現場で伝えられるときに意見を伝えておきましょう。

 

複数人で立ち会いをする

竣工検査の立ち会いは、できるだけ複数人で参加するようにしましょう

自分一人だけでは気付けなかった箇所の不具合を見つけられることもあるので、家族や親戚と一緒に見て回ると良いです。

また家族全員で確認することで、今の仕様で問題がないかを最終確認でき、後から「本当はこうしてほしかった」と不満が出ることを防げます。

自分だけで確認をし、施工会社の人に指摘することに不安を感じる方も多いでしょうから、家族同伴で検査を受けるのがおすすめです。

 

欠陥があった箇所は写真を撮って残しておく

竣工検査で欠陥を見つけた場合は、写真を撮って証拠を残しておきましょう

写真に残しておけば指摘箇所を伝えやすくなるので、気になったところはすべて撮影しておくと良いです。

また、施工会社が施工ミスはなかったと主張した場合に、欠陥の証拠としても役立つでしょう。

どこに問題があるか見つけやすいよう、付箋やマスキングテープで目印を付けておいてください。

 

竣工検査するときは第三者機関に依頼をしよう

竣工検査イメージ
今回は、竣工検査についてお伝えしました。

竣工検査は、建物に問題がないか確認する最後のチャンスですので、チェックリストを1つ1つ丁寧に確認しておきましょう。

自分たちだけで建物の確認ができるか不安な場合は、第三者機関に検査を依頼することをおすすめします

第三者の検査機関は中立な立場であるため、施工会社に率直な意見を伝えられます。

当社イクスプランでは竣工検査の立ち会いを承っており、天井裏や床下など、一般の方でも見にくい箇所もくまなく検査いたします。

専門の道具を使って設計図通りに施工されているか、建築基準に違反していないかを正確に調べることが可能です。

プロの建築士が検査に当たりますので、新築住宅を建築中の方や家を建てる予定の方は、ぜひ当社へご依頼ください。

 

関連記事

 

お問い合わせ・ご相談はこちら

  • (株)EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所
  • 住所:〒814-0121福岡県福岡市城南区神松寺3-14-20-1013
  • Tel  092-862-8880

ウェブから問い合わせる ▶

 

中嶋栄二 写真

記事監修:中嶋栄二
EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所代表。建築士でありながら住宅診断を行うなど、家にまつわる幅広いお悩みやご相談などに対応。年間100件以上の実績で皆様の住宅に関するお悩みを解決します。【資格等】一級建築士・耐震診断アドバイザー・住宅メンテナンス診断士・建物危険度判定士フラット35適合証明技術者など