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台風で家が壊れる確率はどのくらい?被害を防ぐための対処法を解説

近年の異常気象により、全国各地で台風による家屋の損壊被害が報告されています。

強い風が吹いて家が揺れたりキシキシと音が鳴ったりしたときに、「自分たちが住んでいる家は大丈夫だろうか?」と心配になった方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は

  • 台風で家が壊れる確率とは
  • 台風の被害を受けやすい家の特徴5選
  • 台風による家の被害を防ぐための7つの対処法

などについてお伝えします。

事前に対策をしておくことで自宅の被害を最小限に抑えられるため、台風が来たときのために備えておきたい方はぜひ最後までご覧ください。

台風で家が壊れる確率とは

台風で家が壊れる確率についての被害指標画像

画像出典:国土交通省気象庁

はじめに、台風で家が壊れる確率について解説します。

風速20mを超えると、人が立っていられないほどの風が吹き、屋根が飛んでいったり風で飛んできた物が建物に当たって破損したりする場合があります。

風速40m以上の猛烈な風になると、風力に耐えきれず家が倒壊する恐れがあると言われています

最近では風速50mを超える台風が上陸するケースもあり、台風により家が大きなダメージを受ける危険性が高まっています。

あらかじめ対策をしておき、家屋の被害を最小限に食い止めましょう。

台風の被害を受けやすい家の特徴5選

イクスプラン代表がホームインスペクションを実施している画像

次に、台風の被害を受けやすい家の特徴について解説します。台風の被害を受けやすい家の特徴は下記の通りです。

  • 木造の家である
  • 建物にひび割れなどの欠陥がある
  • 経年劣化で耐震性が落ちている
  • 耐震性が低い構造になっている
  • 地盤が弱い

 

それではそれぞれお伝えします。

1.木造の家である

木造住宅の画像

1つ目が、木造の家であることです。

木材で作られている建物は湿気を吸収しやすいため、高温多湿な日本で多く見られます。しかし、木造の家は鉄筋コンクリートと比べると耐久性が劣ります。

また、木造の家は屋根が家からはみ出る形になるため、地面から吹き上げる風の影響を受けやすく、家全体にダメージを受けやすくなります。

ただ、長期にわたり良好な状態で使用できる長期優良住宅や、「日本住宅性能表示基準」に基づき住宅性能表示を受けた住宅は耐久性に優れているため、木造の住宅がすべて台風に弱いわけではありません。

2.建物にひび割れなどの欠陥がある

イクスプランが行った調査の壁のひび割れ画像

2つ目が、建物にひび割れなどの欠陥がある場合です。

家の外壁や内壁、梁などに大きなひびが入っている場合は、台風による強い風が吹き付けることで家が壊れる恐れがあります。

また、シロアリによって柱や梁がもろくなっている場合も、家の耐久性が下がっていて危険な状態です。

こうした家の欠陥を放置すると、台風や地震などの災害が起きたときに家が破損したり最悪の場合は倒壊したりしてしまうため、早急に建設会社やリフォーム会社に修理を依頼しましょう。

3.経年劣化で建物が傾いたり屋根が破損したりしている

家が傾いている画像

3つ目が建物の経年劣化により、建物が傾いたり屋根が破損したりしている場合です。

築年数が経った建物は構造部分が傾いていることがあり、強風によって倒壊する危険性が高いです。また、屋根にひびが入っていたりはがれていたりしているケースもあり、雨漏りを起こすリスクが高くなります。

このような場合は、地震が起きたときにも被害が大きくなってしまい、風にあおられて飛んだ屋根が人や建物にぶつかると大変危険ですので、事前に補修をしておきましょう。

4.耐震性が低い構造になっている

傾く家 揺れる家 耐震の画像

4つ目が、耐震性が低い構造の家の場合です。

例えば、1階の一部が車庫になっているビルトインガレージは、建物の1階部分が空洞になっているため通常の建物よりも耐震性が弱まります。

窓に面している部分が多く、壁が少ない家は、壁が建物を支えきれず破損したり倒壊したりする危険性があります。

また、家の基礎部分が低く、半地下や地下室がある建物は大雨が来たときに浸水被害を受けやすいため、被害が大きくなってしまうでしょう。

家を建てる際は災害が起きた場合を想定し、デザイン性や快適性だけでなく、安全性も考慮して建設会社に家を設計してもらいましょう。

5.地盤が弱い

5つ目が、家が建っている土地の地盤が弱い場合です。

土地の地盤が弱いと建物をしっかりと支えられないため、家が傾いてしまう危険性があります。

家を建ててから地盤を改良するのは難しいため、家を建てる前や建て替えをする際にあらかじめ地盤調査を依頼し、問題があれば改良工事を行いましょう。

地盤が弱いかどうかは見た目だけでは判断できないため、ハザードマップを参考にし、家を建てる予定の土地や今住んでいる土地の地盤の強さを確認してみてください。

 

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台風で自宅が被害を受けた事例

ここからは、実際に台風で自宅が被害を受けた事例をご紹介します。

台風で自宅が被害を受けた方の事例は下記の通りです。

  • 屋根が飛んでいってしまったり破損したりした
  • 窓が割れてしまった
  • 風で物が飛んできて家が破損した
  • 屋根から雨漏りが発生した
  • 家が浸水してしまった

台風による住宅の被害で特に多いのが、屋根がはがれたり破損したりしてしまうケースです。自分の家の屋根が飛んでいってしまうと、近隣の家の外壁や窓にぶつかって破損させてしまう危険性があります。

また、強風で窓ガラスが割れてしまったり、風で飛ばされてきた物が当たって外壁が欠けてしまったり、窓が破られるケースもあります。

さらに、劣化していた屋根が強風や猛烈な雨に耐えきれず雨漏りが発生したり、川が氾濫して浸水被害に遭う事例が報告されています。

こうした自宅の被害を防ぐための対処法を次章で解説しますので、台風が来る前に事前に対策をしておきましょう

台風による家の被害を防ぐための7つの対処法

台風による家の被害を防ぐための7つの対処法の説明画像

続いて、台風による家の被害を防ぐための対処法について解説します。

台風による家の被害を防ぐための対処法は下記の通りです。

被害を防ぐ7つの対処法
  • ホームインスペクション(住宅診断)を受けておく
  • 耐震診断を受ける
  • 定期的に屋根や外壁の点検を受けておく
  • 雨戸やシャッターを取り付ける
  • 簡易的な土のうを作る
  • 開口部の対策をする
  • 外に置いてある物を家の中にしまっておく

 

それではそれぞれ詳しくお伝えします。

1.ホームインスペクション(住宅診断)を受けておく

イクスプランがホームインスペクションを行っている画像

1つ目が、ホームインスペクション(住宅診断)を受けておくことです。

自宅が台風による強風や豪雨に耐えられるのかどうか、建築士事務所に依頼してホームインスペクションを受けておくことをおすすめします

先ほどもお伝えした通り、建物にひび割れなどの欠陥があったり経年劣化によりもろくなったりしている場合は、強い雨風を受けたときに家のダメージが大きくなってしまいます。

ホームインスペクションでは建物が建築基準を満たしているか、建物に大きな欠陥がないかを検査できます。

万が一建物に欠陥が見つかった場合、問題があった箇所を修繕しておけば、台風に見舞われたときでも被害を最小限に抑えられるでしょう。

2.耐震診断を受ける

イクスプランが屋根裏の耐震診断を行っている画像

2つ目が、家の耐震性を調べる耐震診断を受けておくことです。建物が台風に耐えられるかどうかは、耐震性も大きく関係します。

耐震性が弱い建物は耐久性が低く、強風や水害に見舞われたときに被害が大きくなりやすいため、ホームインスペクションを依頼するときに耐震診断も併せて受けておくことをおすすめします

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耐震診断を実施し、耐震性が十分にあると証明されれば、台風だけでなく地震が起きたときにも建物が倒壊するリスクが低いとわかるため、慌てずに家の中で避難できます。

イクスプランにはホームインスペクションと耐震診断を行える建築士が在籍していますので、ぜひご依頼ください。

 

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3.定期的に屋根や外壁の点検を受けておく

イクスプランが外壁の調査を行っている画像

3つ目が、普段から定期的に屋根や外壁の点検を受けておくことです。屋根や外壁は常に紫外線や雨風にさらされ続けているため、特に劣化しやすい部分です。

屋根や外壁が劣化した状態を放置してしまうと、ひび割れした部分や欠損した部分から水漏れを起こす恐れがあるため、数年に一度は点検を受けておくことをおすすめします。

屋根が劣化している場合は、塗装をしたりコーキングをしたりしてメンテナンスを行い、劣化が深刻な場合は屋根の葺(ふ)き替えや外壁の修繕も検討してみてください。

4.雨戸やシャッターを取り付ける

シャッターの画像

4つ目が、家に雨戸やシャッターを取り付けることです。

雨戸やシャッターがあると台風で物が飛ばされてきたときに窓ガラスが割れるのを防止できるため、自宅に付いていない場合は後付けすることをおすすめします。

しかし、すべての家が雨戸やシャッターを後付けできるわけではないため、その場合は台風が来る前に窓に飛散防止フィルムを貼ったり、養生テープで補強しておくとよいでしょう。

養生テープで窓ガラスを補強する際は、「×」の形になるよう貼り付けておけば、窓ガラスが割れてしまったときに破片が飛び散りにくくなり、ケガを防止できます。

5.簡易的な土のうを作る

5つ目が、家が浸水する前に簡易的な土のうを作っておくことです。

簡易的な土のうを作る手順は下記の通りです。

  1. 40Lのごみ袋を二重に重ね、半分くらい水を入れて口をしばる
  2. 袋の強度が足りない場合は枚数を増やす
  3. 家の出入り口に隙間なく敷き詰める

 

簡易的な土のうを使って対策をしておけば、水深が10cm程度であれば家の浸水を防げますので、ホームセンターなどで土のうを確保できないときなどに活用してみてください。

6.開口部の対策をする

6つ目が、お風呂やキッチン、トイレ、などの排水口水溝を塞いでおくことです。排水口は生活排水の流れる出口の事だとも言えるでしょう。

台風が来たときに開口部をそのままにしておくと、排水溝から水が浸水してくる恐れがあります。

外に排水溝などがある場合は土のうや先ほど紹介した簡易的な土のうを作って開口部を塞いでおき、家の中へ浸水するのを防ぎましょう。

こちらの排水溝が指しているのは、家の外部にある排水用の溝(みぞ)のことです。どぶや側溝と言えば分かりやすいでしょう。

7.外に置いてある物を家の中にしまっておく

7つ目が、外に置いてある物を家の中にしまっておくことです。

強風により物が飛ばされ、窓ガラスが割れたり外壁が傷つく恐れがあるため、ベランダや玄関など家の外に置いてある物は撤去しておきましょう。

物干し竿や自転車、プランターなども飛ばされてしまう場合があるので、外に出している物はすべてしまっておくとよいでしょう。

自宅が台風の被害を受けたときに取るべき行動について

災害が起きた時に取るべき行動についてのチェックリスト画像

最後に、自宅が台風の被害を受けたときに取るべき行動についてお伝えします。

自宅が台風の被害を受けたときに取るべき行動は下記の通りです。

  • 消防に連絡をする
  • 避難所へ避難する
  • アパートやマンションの場合は大家さんや管理会社に相談する
  • 保険会社に被害の報告をする

 

まずは自分や家族の身を守ることを第一に考えて行動し、安全を確保してから各所に連絡をしましょう。下記で詳しく解説します。

消防に連絡をする

台風の影響で火災が起きている、電線が切れて停電している、屋根がはがれ落ちそうになっているなど緊急事態が発生した場合は、すぐに消防に連絡をします

火災や停電は早急な措置が必要なため、なるべく早く報告をするようにしましょう。

屋根が飛んでしまったり、屋根瓦が落下したりすると大ケガにつながるため、消防に伝えて対応してもらうとよいです。

このとき自分で何とかしようとするとケガを負ってしまう危険性があるので、絶対に現場には近付かず、消防の方が到着するのを待ちましょう。

避難所へ避難する

台風により自宅が被害を受けてしまった場合は、まずは避難所へ行って身の安全を確保しましょう自宅の状態が気になると思いますが、壊れた家に残るのは大変危険です。

屋根が崩れてきたり家が倒壊したりするなど、二次被害が起きる恐れがあるため、台風が過ぎ去ってから自宅の片付けや応急処置をするようにしましょう。

避難所へ避難するときは、下記の持ち物を持参するとよいでしょう。

  • 食料
  • 飲料水
  • 医薬品
    • 衛生品(マスク、消毒液、ウェットティッシュなど)
    • 貴重品(現金、身分証明書、印鑑、通帳など)
  • 衣類
  • 防災用具
  • ハサミ、缶切、懐中電灯、ライター、ラジオ、ティッシュ、筆記用具、大きめのビニール袋、カイロ、ロープ、カセットコンロ、笛など

 

また、事前にどの避難所へ行くのか決めておき、自宅からのルートも確認しておくといざというときに慌てずに行動できるため、家族で共有しておくと安心です。

アパートやマンションの場合は大家さんや管理会社に報告する

アパートやマンションに住んでいる場合は、大家さんや管理会社に連絡し、自宅の被害の状況を報告するようにしましょう。

報告を後回しにしたり、退去するときになって伝えたりすると、大家さんや管理会社の担当者は台風による被害かどうか判断できないため、被害を受けたときに報告をすることが大切です。

なお、台風などの自然災害による損害の修繕費は売主が負担することになっていますので、修繕にかかる費用を心配する必要はありません。

保険会社に被害の報告をする

台風が収まり家の中に入れる状態になったら、保険会社に被害の報告をします

火災保険には、台風被害に遭ったときに修繕費用を保険会社が補償してくれる風災補償が自動で付いてくるため、家が壊れてしまったときは保険の申請をしてみてください。

その際、台風により被害を受けた箇所の写真や動画を撮り、証拠として残しておくとよいでしょう。

また、保険会社の手続きと並行して損傷した箇所の修理をリフォーム会社に依頼し、修理後の写真と修理にかかった費用をまとめて提出しましょう。

申請を後回しにしてしまうと保険会社からの保険金の支給も遅れてしまうため、できるだけ早く手続きを済ませておくことをおすすめします。

台風で家が壊れるのを防ぐためにあらかじめ住宅診断や耐震診断を受けておこう

イクスプランがホームインスペクションの調査を行っている画像

今回は台風による家への被害についてお伝えしました。

台風の猛烈な雨風で自宅が大きな被害を受けるのを防ぐためには、事前に家の状態を検査しておくことが重要です。

イクスプランでは、ホームインスペクションや耐震診断を行う資格を持つ建築士が常駐しています。普段見えない家の基礎部分や屋根裏も隈なく調べ、建物に問題がないか検査をします。

また建物に傷を付けずに、目視または道具を使って図面通りに壁の位置が保たれているか、筋交などの補強材が入っているかなどを徹底的に調べます。

調査した内容を点数化し、総合的に家のバランスが取れているか、地震にどれほど耐えられるのかを報告書にまとめてお伝えをします。

台風で被害を受ける前に対策をしておきたい方は、ぜひイクスプランへご相談ください。

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中嶋栄二 写真

記事監修:中嶋栄二
EQSPLAN(イクスプラン)一級建築士事務所代表。建築士でありながら住宅診断を行うなど、家にまつわる幅広いお悩みやご相談などに対応。年間100件以上の実績で皆様の住宅に関するお悩みを解決します。【資格等】一級建築士・耐震診断アドバイザー・住宅メンテナンス診断士・建物危険度判定士フラット35適合証明技術者など

 

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